ベクトル $\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5}$ が与えられている。 (1) これらのベクトルを並べた行列 $A = (\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5})$ を行基本変形で簡約階段行列にしたとき、その行列の成分を求め、$\vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5}$ を $\vec{a_1}, \vec{a_2}$ の線形結合で表す。 (2) ベクトル $\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5}$ が張るベクトル空間 $V$ が $\mathbb{R}^3$ 中の平面を表すとき、その平面の方程式を求める。

代数学線形代数ベクトル行列線形結合平面の方程式行基本変形簡約階段行列
2025/7/29

1. 問題の内容

ベクトル a1,a2,a3,a4,a5\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5} が与えられている。
(1) これらのベクトルを並べた行列 A=(a1,a2,a3,a4,a5)A = (\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5}) を行基本変形で簡約階段行列にしたとき、その行列の成分を求め、a3,a4,a5\vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5}a1,a2\vec{a_1}, \vec{a_2} の線形結合で表す。
(2) ベクトル a1,a2,a3,a4,a5\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3}, \vec{a_4}, \vec{a_5} が張るベクトル空間 VVR3\mathbb{R}^3 中の平面を表すとき、その平面の方程式を求める。

2. 解き方の手順

(1)
まず、与えられたベクトルを並べた行列 AA を書く。
A=(219451135711711) A = \begin{pmatrix} 2 & -1 & -9 & 4 & 5 \\ 1 & 1 & 3 & 5 & 7 \\ 1 & -1 & -7 & 1 & 1 \end{pmatrix}
この行列を簡約階段行列に変形する。

1. 1行目と2行目を入れ替える。

(113572194511711) \begin{pmatrix} 1 & 1 & 3 & 5 & 7 \\ 2 & -1 & -9 & 4 & 5 \\ 1 & -1 & -7 & 1 & 1 \end{pmatrix}

2. 2行目から1行目の2倍を引く。3行目から1行目を引く。

(11357031569021046) \begin{pmatrix} 1 & 1 & 3 & 5 & 7 \\ 0 & -3 & -15 & -6 & -9 \\ 0 & -2 & -10 & -4 & -6 \end{pmatrix}

3. 2行目を -3 で割る。

(1135701523021046) \begin{pmatrix} 1 & 1 & 3 & 5 & 7 \\ 0 & 1 & 5 & 2 & 3 \\ 0 & -2 & -10 & -4 & -6 \end{pmatrix}

4. 1行目から2行目を引く。3行目に2行目の2倍を足す。

(102340152300000) \begin{pmatrix} 1 & 0 & -2 & 3 & 4 \\ 0 & 1 & 5 & 2 & 3 \\ 0 & 0 & 0 & 0 & 0 \end{pmatrix}
簡約階段行列は
(102340152300000) \begin{pmatrix} 1 & 0 & -2 & 3 & 4 \\ 0 & 1 & 5 & 2 & 3 \\ 0 & 0 & 0 & 0 & 0 \end{pmatrix}
よって、① = -2, ② = 3, ③ = 4, ④ = 5, ⑤ = 2。
したがって、
a3=(2)a1+5a2=2a1+5a2\vec{a_3} = -(-2)\vec{a_1} + 5\vec{a_2} = 2\vec{a_1} + 5\vec{a_2} なので、⑥ = 2, ⑦ = 5。
a4=3a1+2a2\vec{a_4} = 3\vec{a_1} + 2\vec{a_2} なので、⑧ = 3, ⑨ = 2。
a5=4a1+3a2\vec{a_5} = 4\vec{a_1} + 3\vec{a_2} なので、⑩ = 4。
(2)
平面の方程式は ax+by+cz=0ax + by + cz = 0 の形になる。
a1,a2\vec{a_1}, \vec{a_2} がこの平面上のベクトルなので、
2a+b+c=02a + b + c = 0
a+bc=0-a + b - c = 0
これらの式を足し合わせると a+2b=0a + 2b = 0 となるので、a=2ba = -2b
2つ目の式に代入すると、 2b+bc=02b + b - c = 0 より 3b=c3b = c
b=1b = -1 とすると、 a=2a = 2, c=3c = -3
よって、平面の方程式は 2xy3z=02x - y - 3z = 0。したがって、⑪ = 2, ⑫ = 3。

3. 最終的な答え

(1) ① = -2, ② = 3, ③ = 4, ④ = 5, ⑤ = 2, ⑥ = 2, ⑦ = 5, ⑧ = 3, ⑨ = 2, ⑩ = 4
(2) ⑪ = 2, ⑫ = 3

「代数学」の関連問題

2つの自然数 $m, n$ が $m^2 - n^2 = 28$ を満たすとき、$m$ と $n$ の値を求める問題です。

因数分解整数問題方程式
2025/7/30

複素数の積 $(2+i)(3+2i)$ を計算し、$a+bi$ の形で表す問題です。ここで、$a$ と $b$ はそれぞれ実数部分と虚数部分を表します。

複素数複素数の積複素数の計算
2025/7/30

$x>0$ のとき、不等式 $x + \frac{25}{x} \geq 10$ を証明し、等号が成り立つ条件を求める問題です。

不等式相加相乗平均条件
2025/7/30

$a>0$のとき、不等式 $\sqrt{a+4} > \sqrt{a+16}$ を証明する問題です。証明の過程で空欄「ヒ」、「フ」、「ホ」、「マ」を埋める必要があります。

不等式平方根証明問題
2025/7/30

実数 $x, y$ に対して、不等式 $x^2 + 9y^2 \geq 6xy$ を証明し、等号が成り立つ条件を求めます。

不等式証明平方完成実数
2025/7/30

2つの自然数 $m$ と $n$ が、$m^2 - n^2 = 28$ を満たすとき、$m$ と $n$ の値を求める問題です。

因数分解二次方程式整数解約数
2025/7/30

$x+y=2$ のとき、$x^2 + y^2 = 2(x+y-xy)$ を証明する問題です。証明の過程にある空欄を埋めます。

式の展開代入等式の証明
2025/7/30

等式 $2x^2 + 3x + 7 = a(x+1)^2 - b(x-2) + c$ が、$x$ についての恒等式であるとき、定数 $a, b, c$ の値を求めよ。

恒等式係数比較二次式連立方程式
2025/7/30

与えられた行列 $A$, $x$, $b$ に対して、 $Ax = b$ が成り立つ。また、$A$ のLU分解 $A = LU$ が与えられている。 (1) LU分解を満たす $L$ と $U$ を選...

線形代数行列LU分解逆行列連立一次方程式
2025/7/30

与えられた数式を計算し、簡略化された形で答える問題です。数式は $\frac{x^2 - 3x}{x^2 + 2x - 8} \div \frac{x-3}{x+4} = \frac{x}{x - \...

分数式因数分解約分式変形
2025/7/30