半径1の円に内接する二等辺三角形について、以下の問いに答えます。 (1) 三角形の面積 $S$ を頂角 $\theta$ の式で表してください。 (2) $S$ が最大となるときの $\theta$ の値を求めてください。

幾何学三角形面積三角関数最大値微分
2025/7/30

1. 問題の内容

半径1の円に内接する二等辺三角形について、以下の問いに答えます。
(1) 三角形の面積 SS を頂角 θ\theta の式で表してください。
(2) SS が最大となるときの θ\theta の値を求めてください。

2. 解き方の手順

(1) 面積 SSθ\theta で表す。
円の中心をOとする。頂角をθ\thetaとする二等辺三角形ABCを考える。Aが頂角であるとする。
BAC=θ\angle BAC = \thetaより、BOC=2θ\angle BOC = 2\thetaOBA=OCA=(180θ)/2=90θ/2\angle OBA = \angle OCA = (180^\circ - \theta)/2 = 90^\circ - \theta/2
OB=OC=1OB = OC = 1 であるから、三角形 OBC の面積は、
SOBC=1211sin(2θ)=12sin(2θ)S_{OBC} = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot 1 \cdot \sin(2\theta) = \frac{1}{2}\sin(2\theta)
AB = AC なので、ABC=ACB=πθ2=π2θ2\angle ABC = \angle ACB = \frac{\pi - \theta}{2} = \frac{\pi}{2} - \frac{\theta}{2}.
よって、OBC=π2θ2π2=θ2\angle OBC = \frac{\pi}{2} - \frac{\theta}{2} - \frac{\pi}{2} = -\frac{\theta}{2}
したがって、 ABO=ACO=π2θ2\angle ABO = \angle ACO = \frac{\pi}{2} - \frac{\theta}{2}.
ここで、AOB=AOC=π2θ2=π/2θ\angle AOB = \angle AOC = \frac{\pi - 2\theta}{2} = \pi/2 - \theta (ではない。頂点が中心角より小さい時もある。)
底角の対辺をそれぞれAB, ACとする。
頂点Aから対辺BCに垂線を下ろし、交点をDとする。
BD=CD=1sin(θ)BD = CD = 1 * \sin(\theta)
AD=1+cos(θ)AD = 1 + \cos(\theta)
面積S=12BCAD=12(2sin(θ/2))(1+cos(θ))S = \frac{1}{2} BC \cdot AD = \frac{1}{2} (2\sin(\theta/2)) * (1 + \cos(\theta))
S=sin(θ)(1+cos(θ))=sin(θ)+sin(θ)cos(θ)=sinθ+12sin2θS = \sin(\theta)(1+\cos(\theta)) = \sin(\theta)+\sin(\theta)\cos(\theta) = \sin\theta + \frac{1}{2} \sin2\theta
S=(1+cosθ)sinθS = (1+\cos\theta)\sin\theta
(2) SS が最大となる θ\theta を求める。
S(θ)=sin(θ)+12sin(2θ)S(\theta) = \sin(\theta)+\frac{1}{2}\sin(2\theta)
dSdθ=cos(θ)+cos(2θ)\frac{dS}{d\theta} = \cos(\theta)+\cos(2\theta)
cos(θ)+cos(2θ)=0\cos(\theta)+\cos(2\theta) = 0 となる θ\theta を求める。
cos(2θ)=2cos2θ1\cos(2\theta) = 2\cos^2\theta - 1
cosθ+2cos2θ1=0\cos\theta + 2\cos^2\theta - 1 = 0
2cos2θ+cosθ1=02\cos^2\theta + \cos\theta - 1 = 0
(2cosθ1)(cosθ+1)=0(2\cos\theta - 1)(\cos\theta + 1) = 0
cosθ=12\cos\theta = \frac{1}{2} または cosθ=1\cos\theta = -1
0<θ<π0 < \theta < \pi より、θ=π3\theta = \frac{\pi}{3}
θ=π\theta = \piは、三角形にならないので不適。
θ=π/3\theta = \pi/3 が極値を与える候補となる。
d2Sdθ2=sin(θ)2sin(2θ)\frac{d^2S}{d\theta^2} = -\sin(\theta)-2\sin(2\theta)
d2Sdθ2θ=π/3=sin(π/3)2sin(2π/3)=32232=332<0\frac{d^2S}{d\theta^2}|_{\theta = \pi/3} = -\sin(\pi/3) - 2\sin(2\pi/3) = -\frac{\sqrt{3}}{2} - 2\frac{\sqrt{3}}{2} = -\frac{3\sqrt{3}}{2} < 0
よって、θ=π3\theta = \frac{\pi}{3}SS は最大値をとる。

3. 最終的な答え

(1) S=(1+cosθ)sinθS = (1 + \cos\theta)\sin\theta
(2) θ=π3\theta = \frac{\pi}{3}

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