袋の中に1から9までの数字が書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ入っている。この袋から同時に5枚のカードを取り出す。取り出した5枚のカードに書かれた数の最大値を$M$、最小値を$m$とする。 (1) $M=5$である確率を求めよ。 (2) $M+m=10$である確率を求めよ。 (3) $\frac{M}{m}$が整数である確率を求めよ。

確率論・統計学確率組み合わせ最大値最小値
2025/7/30

1. 問題の内容

袋の中に1から9までの数字が書かれたカードがそれぞれ1枚ずつ入っている。この袋から同時に5枚のカードを取り出す。取り出した5枚のカードに書かれた数の最大値をMM、最小値をmmとする。
(1) M=5M=5である確率を求めよ。
(2) M+m=10M+m=10である確率を求めよ。
(3) Mm\frac{M}{m}が整数である確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) M=5M=5となるのは、5枚のカードの中に5が含まれており、残りの4枚は1から4までの数字から選ばれる場合である。
全事象は、9枚のカードから5枚を選ぶ場合の数なので、9C5=9!5!4!=9×8×7×64×3×2×1=126_9C_5 = \frac{9!}{5!4!} = \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 126通り。
M=5M=5となるのは、5が必ず含まれており、残りの4枚は1から4までの数字から選ばれる場合なので、4C4=1_4C_4 = 1通り。
したがって、確率は1126\frac{1}{126}
(2) M+m=10M+m=10となるのは、以下のパターンが考えられる。
- M=9M=9m=1m=1
- M=8M=8m=2m=2
- M=7M=7m=3m=3
- M=6M=6m=4m=4
各々の場合の数を考える。
- M=9M=9m=1m=1のとき、残りの3枚は2から8までの数字から選ばれるので、7C3=7×6×53×2×1=35_7C_3 = \frac{7 \times 6 \times 5}{3 \times 2 \times 1} = 35通り。
- M=8M=8m=2m=2のとき、残りの3枚は3から7までの数字から選ばれるので、5C3=5×4×33×2×1=10_5C_3 = \frac{5 \times 4 \times 3}{3 \times 2 \times 1} = 10通り。
- M=7M=7m=3m=3のとき、残りの3枚は4から6までの数字から選ばれるので、3C3=1_3C_3 = 1通り。
- M=6M=6m=4m=4のとき、これは不可能。なぜなら、5枚のカードの中に6と4が入っている時点で、4より小さい数字が3枚もないから。
したがって、M+m=10M+m=10となる場合の数は35+10+1=4635+10+1=46通り。
確率は46126=2363\frac{46}{126} = \frac{23}{63}
(3) Mm\frac{M}{m}が整数となる場合を考える。
M>mM > mなので、Mm\frac{M}{m}が整数となるのはMMmmの倍数となる場合である。
- m=1m=1のとき、MMは2から9までの任意の数を取りうるので、8通り。残りの3枚は2からM1M-1の数から選ぶ。M=2M=2なら0C3=0_0C_3=0,M=3M=3なら1C3=0_1C_3=0であり、M=kM=kならk2C3_{k-2}C_3となる。
- m=2m=2のとき、MMは4,6,8のいずれか。残りの3枚は3からM1M-1の数から選ぶ。M=4M=4なら1C3=0_1C_3=0であり、M=kM=kならk3C3_{k-3}C_3となる。
- m=3m=3のとき、MMは6,9のいずれか。残りの3枚は4からM1M-1の数から選ぶ。M=kM=kならk4C3_{k-4}C_3となる。
- m=4m=4のとき、MMは8。残りの3枚は5,6,7から選ぶ。3C3=1_3C_3=1
- m=5m=5のとき、MMはなし
- m=6m=6のとき、MMはなし
- m=7m=7のとき、MMはなし
- m=8m=8のとき、MMはなし
m=1m=1のとき、M=2,3,4,5,6,7,8,9M=2,3,4,5,6,7,8,9。残りの3つの数の取り方は、M=20C3=0M=2 \Rightarrow _0C_3 = 0, M=31C3=0M=3 \Rightarrow _1C_3 = 0, M=42C3=0M=4 \Rightarrow _2C_3 = 0, M=53C3=1M=5 \Rightarrow _3C_3 = 1, M=64C3=4M=6 \Rightarrow _4C_3 = 4, M=75C3=10M=7 \Rightarrow _5C_3 = 10, M=86C3=20M=8 \Rightarrow _6C_3 = 20, M=97C3=35M=9 \Rightarrow _7C_3 = 35。合計70通り。
m=2m=2のとき、M=4,6,8M=4,6,8。残りの3つの数の取り方は、M=41C3=0M=4 \Rightarrow _1C_3 = 0, M=63C3=1M=6 \Rightarrow _3C_3 = 1, M=85C3=10M=8 \Rightarrow _5C_3 = 10。合計11通り。
m=3m=3のとき、M=6,9M=6,9。残りの3つの数の取り方は、M=62C3=0M=6 \Rightarrow _2C_3 = 0, M=95C3=10M=9 \Rightarrow _5C_3 = 10。合計10通り。
m=4m=4のとき、M=8M=8。残りの3つの数の取り方は、M=83C3=1M=8 \Rightarrow _3C_3 = 1。合計1通り。
よって、全部で70+11+10+1=9270+11+10+1=92通り。
確率は92126=4663\frac{92}{126} = \frac{46}{63}

3. 最終的な答え

(1) 1126\frac{1}{126}
(2) 2363\frac{23}{63}
(3) 4663\frac{46}{63}

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