1. 問題の内容
正2n角形 の頂点から3点を選んで三角形を作るとき、鈍角三角形の個数を求める問題です。
2. 解き方の手順
鈍角三角形の個数を求めるには、まず三角形の総数を求め、そこから直角三角形と鋭角三角形の個数を引く方法が考えられます。
* 三角形の総数: 個の頂点から3個を選ぶ組み合わせなので、
{}_{2n}C_3 = \frac{2n(2n-1)(2n-2)}{3 \cdot 2 \cdot 1} = \frac{2n(2n-1)(2n-2)}{6} = \frac{4n(2n-1)(n-1)}{3}
* 直角三角形の個数:正2n角形なので、直径となる辺は 本あります。直径を1辺とする三角形は直角三角形になります。残りの1つの頂点は直径の両端以外の 個の頂点から選ぶことができます。よって、直角三角形の個数は
n(2n-2) = 2n(n-1)
* 鋭角三角形の個数:
正2n角形を円に内接する多角形と考えます。
3つの頂点の選び方によっては、鋭角三角形となる場合、鈍角三角形となる場合、直角三角形となる場合があります。
3つの頂点の選び方は、3つの頂点が連続しているか、もしくは間に1つ頂点があるものなどを考えることで、分類できます。
鋭角三角形の個数を直接求めるのは難しいので、先に鈍角三角形の個数を求めることを目指します。
鈍角三角形について考えます。
鈍角三角形は、ある一つの頂点を選び、その頂点に対する対辺が、元の正2n角形の辺に含まれていない場合にできます。
ある頂点に対する対辺を考えると、その両側の頂点を結ぶ辺が、もとの正2n角形の辺ではない、という条件を満たさなければいけません。
鈍角となる頂点を決めると、残りの2点は、その頂点の対辺となるべき、正2n角形の中心角が180度よりも小さくなるように選ぶ必要があります。
この条件を満たす点の選び方を考慮して、鈍角三角形の個数を計算します。
正2n角形の頂点を円周上に並んでいると考えると、3つの頂点が半円に含まれている場合に鈍角三角形になります。
半円に含まれる点の選び方を考慮します。
頂点を一つ固定し、残りの2つの頂点がその頂点から見て半円の中にあるように選ぶと、鈍角三角形ができることになります。
このような選び方は 個の中から2つの頂点を選ぶことになるので、 通りとなります。
すべての頂点を固定して考えると となりますが、同じ鈍角三角形を3回数えていることになるため、
鈍角三角形の個数は ではありません。鈍角をなす頂点が1つ決まれば、あとの2つの頂点の選び方は一意に定まります。
よって、 で鈍角三角形の個数を求めることが出来ます。
2n \cdot {}_{n-1}C_2 = 2n \frac{(n-1)(n-2)}{2} = n(n-1)(n-2)
* 鈍角三角形の個数:
三角形の総数から直角三角形と鋭角三角形の個数を引くことで求められます。
三角形の総数 - 直角三角形の個数 - 鋭角三角形の個数 = 鈍角三角形の個数
\frac{4n(2n-1)(n-1)}{3} - 2n(n-1) - n(n-1)(n-2)
= \frac{4n(2n-1)(n-1) - 6n(n-1) - 3n(n-1)(n-2)}{3}
= \frac{n(n-1)[4(2n-1) - 6 - 3(n-2)]}{3}
= \frac{n(n-1)(8n - 4 - 6 - 3n + 6)}{3}
= \frac{n(n-1)(5n - 4)}{3}