(1) 関数 $f(x) = |x|$ が $x=0$ で微分可能でないことを示す。 (2) 関数 $f(x) = |x|^3$ が $x=0$ で微分可能であることを示す。

1. 問題の内容

(1) 関数 $f(x) = |x|$ が $x=0$ で微分可能でないことを示す。

(2) 関数 $f(x) = |x|^3$ が $x=0$ で微分可能であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) $f(x) = |x|$ の $x=0$ での微分可能性を調べる。

$x>0$ のとき、$f(x) = x$ なので、$f'(x) = 1$。

$x<0$ のとき、$f(x) = -x$ なので、$f'(x) = -1$。

右側極限：

$\lim_{h \to +0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h| - |0|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{h}{h} = 1$

左側極限：

$\lim_{h \to -0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{|h| - |0|}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h}{h} = -1$

右側極限と左側極限が一致しないため、$f(x) = |x|$ は $x=0$ で微分可能ではない。

(2) $f(x) = |x|^3$ の $x=0$ での微分可能性を調べる。

$f(x) = |x|^3 = x^2 |x|$ と表せる。

右側極限：

$\lim_{h \to +0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h|^3 - |0|^3}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{h^3}{h} = \lim_{h \to +0} h^2 = 0$

左側極限：

$\lim_{h \to -0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{|h|^3 - |0|^3}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(-h)^3 (-1)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h^3}{h} = \lim_{h \to -0} h^2 = 0$

右側極限と左側極限が一致し、その値が0であるため、$f(x) = |x|^3$ は $x=0$ で微分可能であり、$f'(0) = 0$ である。

3. 最終的な答え

(1) 関数 $f(x) = |x|$ は $x=0$ で微分可能ではない。

(2) 関数 $f(x) = |x|^3$ は $x=0$ で微分可能である。