$x \to \infty$ のとき、$y=e^x$ が $y=x^e$ と比較して、より急速に増大することを証明する。

1. 問題の内容

$x \to \infty$ のとき、$y=e^x$ が $y=x^e$ と比較して、より急速に増大することを証明する。

2. 解き方の手順

$x \to \infty$ において、$e^x$が $x^e$ より急速に増大することを証明するには、

$\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = 0$

を示すことができればよい。

この極限を計算するために、ロピタルの定理を繰り返し適用する。

関数 $f(x)=x^e$ と $g(x)=e^x$ を考える。

$x \to \infty$ のとき、$x^e \to \infty$ かつ $e^x \to \infty$ なので、不定形 $\frac{\infty}{\infty}$ である。したがって、ロピタルの定理を適用できる。

$f'(x) = ex^{e-1}$

$g'(x) = e^x$

$\lim_{x \to \infty} \frac{f'(x)}{g'(x)} = \lim_{x \to \infty} \frac{ex^{e-1}}{e^x}$

これも不定形 $\frac{\infty}{\infty}$ であるので、再びロピタルの定理を適用する。

$f''(x) = e(e-1)x^{e-2}$

$g''(x) = e^x$

$\lim_{x \to \infty} \frac{f''(x)}{g''(x)} = \lim_{x \to \infty} \frac{e(e-1)x^{e-2}}{e^x}$

このプロセスを繰り返すと、最終的には $x$ の指数が負になる。

$n > e$ となる整数 $n$ を取れば、$f^{(n)}(x)$ は定数となり、$g^{(n)}(x) = e^x$ である。

したがって、

$\lim_{x \to \infty} \frac{f^{(n)}(x)}{g^{(n)}(x)} = \lim_{x \to \infty} \frac{C}{e^x} = 0$

ここで、$C$ はある定数である。

ロピタルの定理を $n$ 回適用した結果、極限値が0になることから、

$\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = 0$

となる。

これは、$x \to \infty$ において、$e^x$ が $x^e$ より急速に増大することを示している。

3. 最終的な答え

$\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = 0$ であるため、$x \to \infty$ のとき、$e^x$ は $x^e$ よりも急速に増大する。