(1) 関数 $f(x) = |x|$ が $x=0$ で微分可能でないことを示す。 (2) 関数 $f(x) = |x|^3$ が $x=0$ で微分可能であることを示す。

解析学微分可能性絶対値関数極限
2025/7/30

1. 問題の内容

(1) 関数 f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 で微分可能でないことを示す。
(2) 関数 f(x)=x3f(x) = |x|^3x=0x=0 で微分可能であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) 関数 f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 における微分可能性を調べる。微分可能であるためには、左側からの極限と右側からの極限が一致する必要がある。
右側極限:
limh+0f(0+h)f(0)h=limh+0h0h=limh+0hh=1 \lim_{h \to +0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h| - |0|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{h}{h} = 1
左側極限:
limh0f(0+h)f(0)h=limh0h0h=limh0hh=1 \lim_{h \to -0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{|h| - |0|}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h}{h} = -1
右側極限と左側極限が一致しないため、f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 で微分可能ではない。
(2) 関数 f(x)=x3f(x) = |x|^3x=0x=0 における微分可能性を調べる。
右側極限:
limh+0f(0+h)f(0)h=limh+0h303h=limh+0h3h=limh+0h2=0 \lim_{h \to +0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h|^3 - |0|^3}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{h^3}{h} = \lim_{h \to +0} h^2 = 0
左側極限:
limh0f(0+h)f(0)h=limh0h303h=limh0(h)3(1)h=limh0h3h=limh0h2=0 \lim_{h \to -0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{|h|^3 - |0|^3}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(-h)^3(-1)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h^3}{h} = \lim_{h \to -0} h^2 = 0
または、
limh0f(0+h)f(0)h=limh0h303h=limh0(h)3(1)h=limh0(h)3h=limh0h3h=limh0h2=0 \lim_{h \to -0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{|h|^3 - |0|^3}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(-h)^3(-1)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(-h)^3}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-h^3}{h} = \lim_{h \to -0} -h^2 = 0
右側極限と左側極限が一致し、その値が0であるため、f(x)=x3f(x) = |x|^3x=0x=0 で微分可能である。

3. 最終的な答え

(1) 関数 f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 で微分可能ではない。
(2) 関数 f(x)=x3f(x) = |x|^3x=0x=0 で微分可能である。

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