関数 $f(x) = \frac{\ln x}{x}$ (ただし、$x > 0$) について、以下の問題を解く。 (1) $\lim_{x \to +0} f(x)$ を求める。 (2) $\lim_{x \to \infty} f(x)$ を求める。 (3) 導関数 $f'(x)$ を求める。 (4) $f(x)$ の極大値(最大値)を求め、$f(x)$ のグラフの概形を描く。増減表を利用する。 (5) $1 < e < \pi$ であることを利用して、$\pi^e$ と $e^\pi$ の大小を判定する。
2025/7/30
1. 問題の内容
関数 (ただし、) について、以下の問題を解く。
(1) を求める。
(2) を求める。
(3) 導関数 を求める。
(4) の極大値(最大値)を求め、 のグラフの概形を描く。増減表を利用する。
(5) であることを利用して、 と の大小を判定する。
2. 解き方の手順
(1) について
のとき、 であり、 である。したがって、 となる。
(2) について
のとき、 であり、 である。したがって、 の不定形となるため、ロピタルの定理を用いる。
(3) 導関数 について
であるから、商の微分法を用いて、
(4) の極大値とグラフの概形について
より、 となるのは のとき、すなわち より のときである。
となるのは 、すなわち より のときである。
となるのは 、すなわち より のときである。
したがって、 のとき、 は極大値(最大値)をとる。その値は、 である。
増減表は以下のようになる。
| x | 0 < ... < e | e | e < ... | ∞ |
| :--- | :---------- | :------- | :------ | :------- |
| f'(x) | + | 0 | - | |
| f(x) | 増加 | 1/e (極大) | 減少 | 0 |
グラフの概形は、 で に発散し、 で 0 に収束し、 で最大値 をとる。
(5) と の大小について
の最大値が であることを利用する。 より、
が成り立つ。すなわち、 となる。
両辺に を掛けると、 となる。
これは を意味する。対数関数は単調増加であるから、 が成り立つ。
3. 最終的な答え
(1)
(2)
(3)
(4) 極大値(最大値):
(5)