A, B, Cがそれぞれ赤玉、白玉、青玉を1つずつ持っている状態で、硬貨を投げて表が出ればAとBの玉を交換し、裏が出ればBとCの玉を交換する。この操作を$n$回繰り返した後にA, B, Cが赤玉を持っている確率をそれぞれ$a_n$, $b_n$, $c_n$とする。 (1) $a_1$, $b_1$, $c_1$を求めよ。 (2) $a_{n+1}$, $b_{n+1}$, $c_{n+1}$を$a_n$, $b_n$, $c_n$を用いて表せ。 (3) $a_n$, $b_n$, $c_n$を求めよ。

確率論・統計学確率漸化式確率過程
2025/7/30

1. 問題の内容

A, B, Cがそれぞれ赤玉、白玉、青玉を1つずつ持っている状態で、硬貨を投げて表が出ればAとBの玉を交換し、裏が出ればBとCの玉を交換する。この操作をnn回繰り返した後にA, B, Cが赤玉を持っている確率をそれぞれana_n, bnb_n, cnc_nとする。
(1) a1a_1, b1b_1, c1c_1を求めよ。
(2) an+1a_{n+1}, bn+1b_{n+1}, cn+1c_{n+1}ana_n, bnb_n, cnc_nを用いて表せ。
(3) ana_n, bnb_n, cnc_nを求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
1回目の操作について考える。
Aが赤玉を持っている確率a1a_1:硬貨を投げて表が出ればAとBが交換するので、確率は1/21/2
Bが赤玉を持っている確率b1b_1:硬貨を投げて表が出ればAとBが交換するので1/21/2の確率でBが赤玉を持つ。裏が出ればBとCが交換するので00の確率でBが赤玉を持つ。したがって、確率は1/21/2
Cが赤玉を持っている確率c1c_1:硬貨を投げて裏が出ればBとCが交換するので1/21/2
したがって、a1=1/2a_1 = 1/2, b1=1/2b_1 = 1/2, c1=0c_1 = 0となる。
(2)
n+1n+1回目の操作について考える。
an+1a_{n+1}は、nn回目にAが赤玉を持っておらず、表が出てAが赤玉を持つ場合(確率(1an)(1/2)(1-a_n) \cdot (1/2))に起こる。
bn+1b_{n+1}は、nn回目にAが赤玉を持っていて、表が出てBが赤玉を持つ場合(確率an(1/2)a_n \cdot (1/2))、またはnn回目にCが赤玉を持っていて、裏が出てBが赤玉を持つ場合(確率cn(1/2)c_n \cdot (1/2))に起こる。
cn+1c_{n+1}は、nn回目にBが赤玉を持っていて、裏が出てCが赤玉を持つ場合(確率bn(1/2)b_n \cdot (1/2))に起こる。
したがって、次の漸化式が得られる。
an+1=12bna_{n+1} = \frac{1}{2}b_n
bn+1=12an+12cnb_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + \frac{1}{2}c_n
cn+1=12bnc_{n+1} = \frac{1}{2}b_n
(3)
an+1=cn+1a_{n+1} = c_{n+1}なので、an=cna_n = c_nが成り立つ。よって、bn+1=12an+12an=anb_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + \frac{1}{2}a_n = a_nとなる。また、an+1=12bna_{n+1} = \frac{1}{2}b_nである。したがって、bn+2=an+1=12bnb_{n+2} = a_{n+1} = \frac{1}{2}b_nが成り立つ。
bn+2=12bnb_{n+2} = \frac{1}{2}b_nより、bn=A(12)n+B(12)nb_n = A(\frac{1}{\sqrt{2}})^n + B(-\frac{1}{\sqrt{2}})^n
b1=12b_1 = \frac{1}{2}, b2=a1=12b0b_2 = a_1 = \frac{1}{2}b_0で、b0=0b_0 = 0
したがって、b2=0b_2 = 0
b1=12=A2B2b_1 = \frac{1}{2} = \frac{A}{\sqrt{2}} - \frac{B}{\sqrt{2}}, b2=0=A2+B2b_2 = 0 = \frac{A}{2} + \frac{B}{2}なので、A=BA = -Bとなり、12=2A2\frac{1}{2} = \frac{2A}{\sqrt{2}}より、A=24A = \frac{\sqrt{2}}{4}, B=24B = -\frac{\sqrt{2}}{4}となる。
bn=24(12)n24(12)n=12n/2+1(1(1)n)b_n = \frac{\sqrt{2}}{4}(\frac{1}{\sqrt{2}})^n - \frac{\sqrt{2}}{4}(-\frac{1}{\sqrt{2}})^n = \frac{1}{2^{n/2+1}}(1 - (-1)^n)
an+bn+cn=1a_n+b_n+c_n = 1であり、an=cna_n = c_nなので、2an+bn=12a_n + b_n = 1, よってan=1bn2a_n = \frac{1-b_n}{2}
an=cn=12(112n/2+1(1(1)n))a_n = c_n = \frac{1}{2}(1 - \frac{1}{2^{n/2+1}}(1 - (-1)^n))

3. 最終的な答え

(1) a1=12a_1 = \frac{1}{2}, b1=12b_1 = \frac{1}{2}, c1=0c_1 = 0
(2) an+1=12bna_{n+1} = \frac{1}{2}b_n, bn+1=12an+12cnb_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + \frac{1}{2}c_n, cn+1=12bnc_{n+1} = \frac{1}{2}b_n
(3) an=12(112n/2+1(1(1)n))a_n = \frac{1}{2}(1 - \frac{1}{2^{n/2+1}}(1 - (-1)^n)), bn=12n/2+1(1(1)n)b_n = \frac{1}{2^{n/2+1}}(1 - (-1)^n), cn=12(112n/2+1(1(1)n))c_n = \frac{1}{2}(1 - \frac{1}{2^{n/2+1}}(1 - (-1)^n))

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