行列 $A = \begin{pmatrix} 1 & -2 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}$ が与えられている。 実数を成分とする2x2行列 $B$ が $AB = BA$ を満たすとき、$B$ は $xA + yE$ ($x, y$ は実数) の形で表せることを示す。 ただし、$E$ は2次の単位行列である。

1. 問題の内容

行列 $A = \begin{pmatrix} 1 & -2 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}$ が与えられている。

実数を成分とする2x2行列 $B$ が $AB = BA$ を満たすとき、$B$ は $xA + yE$ ($x, y$ は実数) の形で表せることを示す。

ただし、$E$ は2次の単位行列である。

2. 解き方の手順

行列 $B$ を $B = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}$ とおく。

$AB = BA$ を満たすという条件から、$a, b, c, d$ の間の関係式を導く。

$AB = \begin{pmatrix} 1 & -2 \\ 1 & -1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a-2c & b-2d \\ a-c & b-d \end{pmatrix}$

$BA = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 & -2 \\ 1 & -1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a+b & -2a-b \\ c+d & -2c-d \end{pmatrix}$

$AB = BA$ より、以下の連立方程式を得る。

$a - 2c = a + b$

$b - 2d = -2a - b$

$a - c = c + d$

$b - d = -2c - d$

これらの式を整理すると、

$b = -2c$

$2b = 2d - 2a \implies b = d-a$

$a - c = c + d \implies a - 2c = d$

$b = -2c$

よって、$b = -2c$ および $d = a + b = a - 2c$ となる。

したがって、$B = \begin{pmatrix} a & -2c \\ c & a-2c \end{pmatrix}$ と表せる。

$B$ を $xA + yE$ の形で表せることを示す。

$xA + yE = x \begin{pmatrix} 1 & -2 \\ 1 & -1 \end{pmatrix} + y \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} x+y & -2x \\ x & -x+y \end{pmatrix}$

$B = xA + yE$ となるように $x, y$ を定める。

$\begin{pmatrix} a & -2c \\ c & a-2c \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} x+y & -2x \\ x & -x+y \end{pmatrix}$

この等式が成立するためには、

$a = x + y$

$-2c = -2x$

$c = x$

$a - 2c = -x + y$

$x = c$ であるから、$a = c + y$ となる。よって、$y = a - c$ である。

したがって、$B = cA + (a-c)E$ と表せる。

3. 最終的な答え

$B = xA + yE$ の形（$x,y$ は実数）で表せる。具体的には、$x = c$、$y = a - c$ とすればよい。

$B = cA + (a-c)E$