与えられた無限級数 $x + \frac{x}{1+x-x^2} + \frac{x}{(1+x-x^2)^2} + \frac{x}{(1+x-x^2)^3} + \dots + \frac{x}{(1+x-x^2)^n} + \dots$ が収束するような実数 $x$ の値の範囲と、そのときの無限級数の和を求める。

1. 問題の内容

与えられた無限級数

$x + \frac{x}{1+x-x^2} + \frac{x}{(1+x-x^2)^2} + \frac{x}{(1+x-x^2)^3} + \dots + \frac{x}{(1+x-x^2)^n} + \dots$

が収束するような実数 $x$ の値の範囲と、そのときの無限級数の和を求める。

2. 解き方の手順

まず、与えられた級数が等比級数であることに注目する。初項 $a$ と公比 $r$ は、

$a = x$

$r = \frac{1}{1+x-x^2}$

である。

等比級数が収束するための条件は、 $|r| < 1$ である。したがって、

$|\frac{1}{1+x-x^2}| < 1$

これを解く。

$|1+x-x^2| > 1$

これは、

$1+x-x^2 > 1$ または $1+x-x^2 < -1$

と同値である。

場合1: $1+x-x^2 > 1$

$x-x^2 > 0$

$x(1-x) > 0$

$x(x-1) < 0$

よって、$0 < x < 1$

場合2: $1+x-x^2 < -1$

$x-x^2 < -2$

$x^2 - x - 2 > 0$

$(x-2)(x+1) > 0$

よって、$x < -1$ または $x > 2$

したがって、収束するための $x$ の範囲は、

$x < -1$ または $0 < x < 1$ または $x > 2$

である。

次に、この範囲における級数の和 $S$ を求める。等比級数の和の公式は、

$S = \frac{a}{1-r}$

である。よって、

$S = \frac{x}{1-\frac{1}{1+x-x^2}} = \frac{x}{\frac{1+x-x^2-1}{1+x-x^2}} = \frac{x(1+x-x^2)}{x-x^2} = \frac{x(1+x-x^2)}{x(1-x)} = \frac{1+x-x^2}{1-x}$

ここで、$x \neq 0$ であることに注意する。$x = 0$ の場合は、級数は $0$ になるため、問題ない。

$S = \frac{1+x-x^2}{1-x}$

となる。

3. 最終的な答え

収束する $x$ の範囲: $x < -1$ または $0 < x < 1$ または $x > 2$

そのときの無限級数の和: $S = \frac{1+x-x^2}{1-x}$