$f: \mathbb{R}^3 \to \mathbb{R}^2$ が次のように定義されています。 $ f\left(\begin{array}{c} x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end{array}\right) = \left(\begin{array}{c} x_1 + x_2 + 3x_3 \\ 2x_1 + 3x_2 + 4x_3 \end{array}\right) $ このとき、$f$ が線形写像であること、$f$ の像 $\text{Im } f$ が $\mathbb{R}^2$ の部分空間であることを示し、$\text{Im } f$ の次元と基底を求めます。
2025/7/31
1. 問題の内容
が次のように定義されています。
このとき、 が線形写像であること、 の像 が の部分空間であることを示し、 の次元と基底を求めます。
2. 解き方の手順
(1) が線形写像であることを示す。
線形写像であるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
(i)
(ii) ( はスカラー)
ここで、、 とします。
まず、 を計算します。
次に、 を計算します。
したがって、 が成り立ちます。
次に、 を計算します。
したがって、 が成り立ちます。
以上より、 は線形写像です。
(2) が の部分空間であることを示す。
は による の像なので、明らかに の部分集合です。
が部分空間であるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
(i) ゼロベクトルが含まれる。
(ii) 和について閉じている。
(iii) スカラー倍について閉じている。
なので、ゼロベクトルは に含まれます。
と が の元であるとき、 であり、 は の元なので、 は の元です。したがって、和について閉じています。
が の元であるとき、 であり、 は の元なので、 は の元です。したがって、スカラー倍について閉じています。
以上より、 は の部分空間です。
(3) の次元と基底を求める。
は , , によって張られます。
と は線形独立なので、これらは の基底になります。
とすると、, より、, となります。
したがって、 は と の線形結合で表されるので、 は と によって張られます。
と は線形独立なので、 の基底は であり、次元は 2 です。
であることも分かります。
3. 最終的な答え
は線形写像である。 は の部分空間である。 の次元は 2 であり、基底は である。