自然数 $k$ に対して、二重階乗 $(2k)!!$ と $(2k-1)!!$ が、 $(2k)!! = (2k) \times (2k-2) \times (2k-4) \times \cdots \times 6 \times 4 \times 2$ $(2k-1)!! = (2k-1) \times (2k-3) \times (2k-5) \times \cdots \times 5 \times 3 \times 1$ と定義される。このとき、等式 $m!! - 2^n = 7$ を満たす自然数の組 $(m, n)$ を求めよ。

数論二重階乗方程式整数の性質
2025/7/31

1. 問題の内容

自然数 kk に対して、二重階乗 (2k)!!(2k)!!(2k1)!!(2k-1)!! が、
(2k)!!=(2k)×(2k2)×(2k4)××6×4×2(2k)!! = (2k) \times (2k-2) \times (2k-4) \times \cdots \times 6 \times 4 \times 2
(2k1)!!=(2k1)×(2k3)×(2k5)××5×3×1(2k-1)!! = (2k-1) \times (2k-3) \times (2k-5) \times \cdots \times 5 \times 3 \times 1
と定義される。このとき、等式 m!!2n=7m!! - 2^n = 7 を満たす自然数の組 (m,n)(m, n) を求めよ。

2. 解き方の手順

与えられた式は m!!2n=7m!! - 2^n = 7 である。これを m!!=2n+7m!! = 2^n + 7 と変形する。
まず、mm が偶数の場合を考える。m=2km = 2k とおくと、
m!!=(2k)!!=(2k)×(2k2)×(2k4)××6×4×2=2n+7m!! = (2k)!! = (2k) \times (2k-2) \times (2k-4) \times \cdots \times 6 \times 4 \times 2 = 2^n + 7
(2k)!!(2k)!! は偶数の積であるから、偶数となる。
ここで、nn が小さい場合から順に調べる。
n=1n = 1 のとき 21+7=92^1 + 7 = 9 となり、偶数ではない。
n=2n = 2 のとき 22+7=112^2 + 7 = 11 となり、偶数ではない。
n=3n = 3 のとき 23+7=152^3 + 7 = 15 となり、偶数ではない。
n=4n = 4 のとき 24+7=232^4 + 7 = 23 となり、偶数ではない。
n=5n = 5 のとき 25+7=392^5 + 7 = 39 となり、偶数ではない。
n=6n = 6 のとき 26+7=712^6 + 7 = 71 となり、偶数ではない。
n=7n = 7 のとき 27+7=1352^7 + 7 = 135 となり、偶数ではない。
n=8n = 8 のとき 28+7=2632^8 + 7 = 263 となり、偶数ではない。
m=2m = 2 のとき、2!!=22!! = 2 なので、2=2n+72 = 2^n + 7 となり、2n=52^n = -5 となるので、これは不適。
m=4m = 4 のとき、4!!=4×2=84!! = 4 \times 2 = 8 なので、8=2n+78 = 2^n + 7 となり、2n=12^n = 1 となるので、n=0n = 0。しかし、nn は自然数なのでこれは不適。
m=6m = 6 のとき、6!!=6×4×2=486!! = 6 \times 4 \times 2 = 48 なので、48=2n+748 = 2^n + 7 となり、2n=412^n = 41 となるが、これは 22 のべき乗ではないので不適。
m8m \geq 8 のとき (2k)!!(2k)!!88 の倍数なので、2n+72^n + 788 の倍数である。しかし、77 を法 88 で考えると 2n+70(mod8)2^n+7 \equiv 0 \pmod{8} なので 2n1(mod8)2^n \equiv 1 \pmod{8} が必要であり、n3n \geq 3 ならば 2n2^n88 の倍数なので、2n+77(mod8)2^n+7 \equiv 7 \pmod{8} であるため不適。n=1,2n=1,2は確認済みで、解なしとなる。
次に、mm が奇数の場合を考える。m=2k1m = 2k-1 とおくと、
m!!=(2k1)!!=(2k1)×(2k3)×(2k5)××5×3×1=2n+7m!! = (2k-1)!! = (2k-1) \times (2k-3) \times (2k-5) \times \cdots \times 5 \times 3 \times 1 = 2^n + 7
m=1m = 1 のとき、1!!=11!! = 1 なので、1=2n+71 = 2^n + 7 となり、2n=62^n = -6 となるので、これは不適。
m=3m = 3 のとき、3!!=3×1=33!! = 3 \times 1 = 3 なので、3=2n+73 = 2^n + 7 となり、2n=42^n = -4 となるので、これは不適。
m=5m = 5 のとき、5!!=5×3×1=155!! = 5 \times 3 \times 1 = 15 なので、15=2n+715 = 2^n + 7 となり、2n=82^n = 8 となるので、n=3n = 3。これは適する。
m=7m = 7 のとき、7!!=7×5×3×1=1057!! = 7 \times 5 \times 3 \times 1 = 105 なので、105=2n+7105 = 2^n + 7 となり、2n=982^n = 98 となるが、これは 22 のべき乗ではないので不適。
m=9m = 9 のとき、9!!=9×7×5×3×1=9459!! = 9 \times 7 \times 5 \times 3 \times 1 = 945 なので、945=2n+7945 = 2^n + 7 となり、2n=9382^n = 938 となるが、これは 22 のべき乗ではないので不適。
m!!=2n+7m!! = 2^n + 7
m=5m=5 のとき 5!!=15=23+75!! = 15 = 2^3 + 7 より n=3n=3
したがって、(m,n)=(5,3)(m, n) = (5, 3) が解である。

3. 最終的な答え

(m,n)=(5,3)(m, n) = (5, 3)

「数論」の関連問題

自然数 $k$ に対して、二重階乗 $(2k)!!$ と $(2k-1)!!$ が $(2k)!! = (2k) \times (2k-2) \times (2k-4) \times \cdots \...

二重階乗方程式整数の性質
2025/7/31

数列 $\{a_n\}$ が与えられています。 (1) $\frac{3^2}{41}$ が数列の第何項か求める。 (2) $a_{50}$ を求める。 (3) $\sum_{k=1}^{50} a_...

数列級数整数の性質
2025/7/31

与えられた選択肢の中から、正しいものをすべて選ぶ問題です。選択肢は以下の通りです。 (1) 無理数と無理数の差は常に無理数である。 (2) 有理数と有理数の差は常に有理数である。 (3) 無理数と無理...

有理数無理数数の性質四則演算
2025/7/31

与えられた選択肢の中から、正しい記述を全て選ぶ問題です。選択肢は以下の通りです。 1. 無理数と有理数の和は常に無理数である。

無理数有理数数の性質代数的性質
2025/7/31

空欄を埋める問題です。 * 整数 $m$ と $0$ でない整数 $n$ を用いて、分数 $\frac{m}{n}$ の形で表される数を何というか。 * 分数の形で表すことができない数を何というか。 ...

有理数無理数数の分類
2025/7/31

2から12までの数字が書かれた11枚のカードから3枚を同時に取り出す。取り出した3枚のカードに書かれた3つの数字について、以下の問いに答える。 (1) 3つの数字の最大公約数を $x$ とするとき、起...

最大公約数最小公倍数確率組み合わせ
2025/7/31

自然数 $n$ が7で割ると2余り、9で割ると7余るとき、$n$ を63で割った余りを求める問題です。

合同式中国剰余定理剰余一次不定方程式
2025/7/31

$3n+16$ と $4n+18$ の最大公約数が5となるような、50以下の自然数 $n$ をすべて求める問題です。

最大公約数ユークリッドの互除法整数の性質
2025/7/31

与えられた2つの整数の組に対して、互除法を用いて最大公約数を求める問題です。4つの組 (589, 403), (697, 119), (689, 481), (551, 209) それぞれに対して最大...

最大公約数互除法整数の性質
2025/7/31

$2^{50}$ を 7 で割ったときの余りを、合同式を用いて求める問題です。

合同式剰余べき乗整数の性質
2025/7/31