行列方程式 AX=B を解くには、A の逆行列 A−1 が存在する場合、X=A−1B を計算します。もし逆行列が存在しない場合は、拡大行列 (A∣B) を行基本変形して解を求めます。問題文に「掃き出し法」と書いてあるので、後者の方法で解きます。 (1) の場合:
拡大行列 (A∣B) は以下の通りです。 123223112∣∣∣1111−11 1行目を-2倍して2行目に足し、1行目を-3倍して3行目に足します。
1002−2−31−1−1∣∣∣1−1−21−3−2 2行目を-3/2倍して3行目に足します。
1002−201−11/2∣∣∣1−1−1/21−35/2 3行目を2倍します。
1002−201−11∣∣∣1−1−11−35 3行目を足して2行目に加え、3行目を引いて1行目から引きます。
1002−20001∣∣∣2−2−1−425 2行目を-1/2倍します。
100210001∣∣∣21−1−4−15 2行目を-2倍して1行目に足します。
100010001∣∣∣01−1−2−15 したがって、
X=01−1−2−15 (2) の場合:
拡大行列 (A∣B) は以下の通りです。 101021−1−4−3∣∣∣1−4−12−21 1行目を-1倍して3行目に足します。
100021−1−4−2∣∣∣1−4−22−2−1 2行目を1/2倍します。
100011−1−2−2∣∣∣1−2−22−1−1 2行目を-1倍して3行目に足します。
100010−1−20∣∣∣1−202−10 z=t とおくと、y−2z=−2 より y=2t−2、x−z=1 より x=t+1 となります。 したがって、X=t+12t−2tabcの形式となり、AX=Bを満たすには、列ベクトル毎に連立一次方程式を解く必要があります。 列ベクトルをそれぞれ比較するとX=t+12t−2t2−10 第一列からx+z=1とx=t+1とz=t。 第二列から2z=2とz=t。 つまりAX=Bを満たす解は無限に存在する。 例えば、t=0のとき、X=1−202−10