## 問題1の内容

解析学導関数ライプニッツの公式微分
2025/7/31
## 問題1の内容
関数 y=x2cosxy = x^2 \cos xnn 階導関数 y(n)y^{(n)} を求める。
## 解き方の手順
ライプニッツの公式を利用して解きます。ライプニッツの公式とは、2つの関数 u(x)u(x)v(x)v(x) の積の nn 階導関数について、
(uv)(n)=k=0nnCku(nk)v(k)(uv)^{(n)} = \sum_{k=0}^{n} {}_n C_k u^{(n-k)} v^{(k)}
が成り立つというものです。ここで、nCk{}_n C_k は二項係数を表します。
この問題では、u(x)=x2u(x) = x^2v(x)=cosxv(x) = \cos x とおきます。
まず、u(x)=x2u(x) = x^2 の導関数を求めます。
u(x)=2xu'(x) = 2x
u(x)=2u''(x) = 2
u(x)=0u'''(x) = 0
u(x)u(x) の3階以上の導関数はすべて0になります。
次に、v(x)=cosxv(x) = \cos x の導関数を求めます。
v(x)=sinxv'(x) = -\sin x
v(x)=cosxv''(x) = -\cos x
v(x)=sinxv'''(x) = \sin x
v(x)=cosxv''''(x) = \cos x
v(x)v(x) の導関数は周期的に変化します。
一般的に、
v(n)(x)=cos(x+nπ2)v^{(n)}(x) = \cos(x + \frac{n\pi}{2})
と表すことができます。
したがって、y=x2cosxy = x^2 \cos xnn 階導関数は、ライプニッツの公式より、
y(n)=k=0nnCku(nk)v(k)y^{(n)} = \sum_{k=0}^{n} {}_n C_k u^{(n-k)} v^{(k)}
=nC0u(n)v(0)+nC1u(n1)v(1)+nC2u(n2)v(2)+= {}_n C_0 u^{(n)} v^{(0)} + {}_n C_1 u^{(n-1)} v^{(1)} + {}_n C_2 u^{(n-2)} v^{(2)} + \cdots
ここで、u(x)u(x) の3階以上の導関数は0なので、以下の3項のみを考えれば良いです。
y(n)=nC0u(n)v(0)+nC1u(n1)v(1)+nC2u(n2)v(2)y^{(n)} = {}_n C_0 u^{(n)} v^{(0)} + {}_n C_1 u^{(n-1)} v^{(1)} + {}_n C_2 u^{(n-2)} v^{(2)}
y(n)=u(x)v(n)(x)+nu(x)v(n1)(x)+n(n1)2u(x)v(n2)(x)y^{(n)} = u(x) v^{(n)}(x) + n u'(x) v^{(n-1)}(x) + \frac{n(n-1)}{2} u''(x) v^{(n-2)}(x)
これに、u(x)=x2u(x) = x^2u(x)=2xu'(x) = 2xu(x)=2u''(x) = 2 を代入すると、
y(n)=x2cos(x+nπ2)+n(2x)cos(x+(n1)π2)+n(n1)2(2)cos(x+(n2)π2)y^{(n)} = x^2 \cos(x + \frac{n\pi}{2}) + n(2x) \cos(x + \frac{(n-1)\pi}{2}) + \frac{n(n-1)}{2} (2) \cos(x + \frac{(n-2)\pi}{2})
y(n)=x2cos(x+nπ2)+2nxcos(x+(n1)π2)+n(n1)cos(x+(n2)π2)y^{(n)} = x^2 \cos(x + \frac{n\pi}{2}) + 2nx \cos(x + \frac{(n-1)\pi}{2}) + n(n-1) \cos(x + \frac{(n-2)\pi}{2})
## 最終的な答え
y(n)=x2cos(x+nπ2)+2nxcos(x+(n1)π2)+n(n1)cos(x+(n2)π2)y^{(n)} = x^2 \cos(x + \frac{n\pi}{2}) + 2nx \cos(x + \frac{(n-1)\pi}{2}) + n(n-1) \cos(x + \frac{(n-2)\pi}{2})

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