関数 $y = 3\sin\theta - 2\cos\theta$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $y = r\sin(\theta + \alpha)$ (ただし、$r > 0$) の形に変形したときの $r$ の値、$\cos\alpha$ の値、$\sin\alpha$ の値を求める。 (2) $0 \le \theta \le \pi$ の範囲における $y$ の最大値と最小値を求める。

## 解答

1. 問題の内容

関数 $y = 3\sin\theta - 2\cos\theta$ について、以下の問いに答える問題です。

(1) $y = r\sin(\theta + \alpha)$ (ただし、$r > 0$) の形に変形したときの $r$ の値、$\cos\alpha$ の値、$\sin\alpha$ の値を求める。

(2) $0 \le \theta \le \pi$ の範囲における $y$ の最大値と最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1)

まず、$y = 3\sin\theta - 2\cos\theta$ を $r\sin(\theta + \alpha)$ の形に変形します。

三角関数の合成の公式を利用すると、

$y = r\sin(\theta + \alpha) = r(\sin\theta\cos\alpha + \cos\theta\sin\alpha) = (r\cos\alpha)\sin\theta + (r\sin\alpha)\cos\theta$

係数を比較して、

$r\cos\alpha = 3$

$r\sin\alpha = -2$

両辺を2乗して足すと、

$r^2\cos^2\alpha + r^2\sin^2\alpha = 3^2 + (-2)^2$

$r^2(\cos^2\alpha + \sin^2\alpha) = 9 + 4$

$r^2 = 13$

$r > 0$ より、 $r = \sqrt{13}$

また、

$\cos\alpha = \frac{3}{r} = \frac{3}{\sqrt{13}}$

$\sin\alpha = \frac{-2}{r} = \frac{-2}{\sqrt{13}}$

(2)

(1)より、$y = \sqrt{13}\sin(\theta + \alpha)$

ここで、$\sin(\theta + \alpha)$ のとりうる値の範囲を考えます。

$\alpha$ の値は、$\cos\alpha = \frac{3}{\sqrt{13}} > 0$ かつ $\sin\alpha = \frac{-2}{\sqrt{13}} < 0$ より、第4象限の角です。

$0 \le \theta \le \pi$ なので、$\alpha \le \theta + \alpha \le \pi + \alpha$

$\theta + \alpha$ の範囲において、$\sin(\theta + \alpha)$ の最大値は 1 です。

$\theta + \alpha = \frac{\pi}{2}$ となる $\theta$ は $0 \le \theta \le \pi$ の範囲に存在するため、$y$ の最大値は $\sqrt{13} \cdot 1 = \sqrt{13}$ です。

$\theta + \alpha$ の範囲において、$\sin(\theta + \alpha)$ の最小値を求めます。$\sin(\theta + \alpha)$ は $\theta + \alpha = \alpha$ または $\theta + \alpha = \pi + \alpha$ のときに最小となる可能性があります。

$\sin\alpha = \frac{-2}{\sqrt{13}}$

$\sin(\pi + \alpha) = -\sin\alpha = \frac{2}{\sqrt{13}}$

したがって、$\sin(\theta + \alpha)$ の最小値は $\frac{-2}{\sqrt{13}}$ ではなく$\sin\alpha = \frac{-2}{\sqrt{13}}$より小さい場合もあるため、$\sin(\theta + \alpha)$が-1になる可能性を考えなくてはいけません。

$\sin(\theta + \alpha)$ の最小値は $\sin\alpha = \frac{-2}{\sqrt{13}}$ です。

$y$ の最小値は $\sqrt{13}\cdot\frac{-2}{\sqrt{13}} = -2$　ではありません。

$\theta$の範囲から、$y$の最小値は、$\theta = 0$のとき、$y = -2$、$\theta = \pi$のとき、$y = 2$なので、$\sin(\theta+\alpha)$のとりうる値の範囲は$\frac{-2}{\sqrt{13}}$から$1$までの範囲となります。

$\pi+\alpha > \frac{3\pi}{2}$　より、$y$の最小値は、$-\frac{2}{\sqrt{13}}$となります。

よって、$y$の最小値は$\sqrt{13}\cdot\frac{-2}{\sqrt{13}} = -2$です。

3. 最終的な答え

(1)

$r = \sqrt{13}$

$\cos\alpha = \frac{3}{\sqrt{13}}$

$\sin\alpha = \frac{-2}{\sqrt{13}}$

(2)

$y$ の最大値は $\sqrt{13}$

$y$ の最小値は $-2$