(1) 2次不等式 $ax^2 + bx + c > 0$ の解が $2 < x < 3$ となるとき、$b, c$ を $a$ を用いて表し、2次不等式 $ax^2 + cx - b \le 0$ の解を求める。また、$a, \beta$ の値を求める。 (2) 2次不等式 $(m-7)x^2 + 2mx - m + 1 > 0$ を満たす実数 $x$ が存在しないとき、整数 $m$ の値を求め、不等式 $m \le x^2 + 2x \le m + 1$ の解を求める。

1. 問題の内容

(1) 2次不等式 $ax^2 + bx + c > 0$ の解が $2 < x < 3$ となるとき、$b, c$ を $a$ を用いて表し、2次不等式 $ax^2 + cx - b \le 0$ の解を求める。また、$a, \beta$ の値を求める。

(2) 2次不等式 $(m-7)x^2 + 2mx - m + 1 > 0$ を満たす実数 $x$ が存在しないとき、整数 $m$ の値を求め、不等式 $m \le x^2 + 2x \le m + 1$ の解を求める。

2. 解き方の手順

(1)

$ax^2 + bx + c > 0$ の解が $2 < x < 3$ であることから、$a < 0$ であり、

$ax^2 + bx + c = a(x-2)(x-3) = a(x^2 - 5x + 6) = ax^2 - 5ax + 6a$

よって、$b = -5a$, $c = 6a$

$ax^2 + cx - b \le 0$ に代入すると、$ax^2 + 6ax + 5a \le 0$

$a < 0$ なので、$x^2 + 6x + 5 \ge 0$

$(x + 1)(x + 5) \ge 0$

$x \le -5, -1 \le x$

したがって、$\alpha = -5$, $\beta = -1$ で、解は $x \le \alpha, \beta \le x$

(2)

$(m-7)x^2 + 2mx - m + 1 > 0$ を満たす実数 $x$ が存在しないとき、$(m-7)x^2 + 2mx - m + 1 \le 0$ が常に成り立つ。

$m-7 > 0$ のとき、上に凸の放物線となり、常に負になることはないので、$m-7 < 0$が必要。

また、判別式 $D \le 0$ である。

$D/4 = m^2 - (m-7)(-m+1) = m^2 - ( -m^2 + 8m - 7 ) = 2m^2 - 8m + 7 \le 0$

$2m^2 - 8m + 7 = 0$ を解くと $m = \frac{8 \pm \sqrt{64 - 56}}{4} = \frac{8 \pm \sqrt{8}}{4} = 2 \pm \frac{\sqrt{2}}{2}$

$m < 7$ と合わせて、$2 - \frac{\sqrt{2}}{2} \le m \le 2 + \frac{\sqrt{2}}{2}$

$\sqrt{2} \approx 1.414$ なので、$\frac{\sqrt{2}}{2} \approx 0.7$

したがって、$1.3 \le m \le 2.7$

整数 $m$ の値は $m = 2$

$2 \le x^2 + 2x \le 3$

$x^2 + 2x - 2 \ge 0$ を解くと、$x = \frac{-2 \pm \sqrt{4 + 8}}{2} = -1 \pm \sqrt{3}$

したがって、$x \le -1 - \sqrt{3}, -1 + \sqrt{3} \le x$

$x^2 + 2x - 3 \le 0$ を解くと、$(x+3)(x-1) \le 0$

$-3 \le x \le 1$

$-3 \le x \le -1 - \sqrt{3}$ または $-1 + \sqrt{3} \le x \le 1$

$-1 - \sqrt{3} \approx -2.7$, $-1 + \sqrt{3} \approx 0.7$

したがって、$-3 \le x \le -1 - \sqrt{3}, -1 + \sqrt{3} \le x \le 1$

3. 最終的な答え

(1)

$b = -5a$

$c = 6a$

$x \le -5, -1 \le x$

$\alpha = -5$

$\beta = -1$

(2)

$m = 2$

$-3 \le x \le -1 - \sqrt{3}$

$-1 + \sqrt{3} \le x \le 1$

アイ: 5, ウ: 6, エ: (3), オカ: -5, キク: -1, ケ: 2, コサ: -3, シス: -1, セ: 3, ソ: 1