与えられた置換の符号を求めます。 (1) 置換 $\sigma_1 = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 \\ 6 & 8 & 7 & 1 & 9 & 4 & 3 & 5 & 2 \end{pmatrix}$ (2) 置換 $\sigma_2 = \begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n-1 & n \\ n & n-1 & \cdots & 2 & 1 \end{pmatrix}$ (ただし $n \ge 2$)

代数学置換符号互換転倒数
2025/8/1

1. 問題の内容

与えられた置換の符号を求めます。
(1) 置換 σ1=(123456789687194352)\sigma_1 = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 \\ 6 & 8 & 7 & 1 & 9 & 4 & 3 & 5 & 2 \end{pmatrix}
(2) 置換 σ2=(12n1nnn121)\sigma_2 = \begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n-1 & n \\ n & n-1 & \cdots & 2 & 1 \end{pmatrix} (ただし n2n \ge 2)

2. 解き方の手順

(1) 置換 σ1\sigma_1 の符号を求めます。
σ1\sigma_1 を互換の積で表します。
例えば、以下の手順で分解できます。
1 -> 6 -> 4 -> 1
2 -> 8 -> 5 -> 9 -> 2
3 -> 7 -> 3
よって、
σ1=(1 6 4)(2 8 5 9)(3 7)\sigma_1 = (1\ 6\ 4)(2\ 8\ 5\ 9)(3\ 7)
さらに互換に分解すると、
(1 6 4)=(1 4)(1 6)(1\ 6\ 4) = (1\ 4)(1\ 6)
(2 8 5 9)=(2 9)(2 5)(2 8)(2\ 8\ 5\ 9) = (2\ 9)(2\ 5)(2\ 8)
(3 7)(3\ 7)
したがって、
σ1=(1 4)(1 6)(2 9)(2 5)(2 8)(3 7)\sigma_1 = (1\ 4)(1\ 6)(2\ 9)(2\ 5)(2\ 8)(3\ 7)
σ1\sigma_1 は 6 個の互換の積で表されるので、σ1\sigma_1 の符号は (1)6=1(-1)^6 = 1 です。
(2) 置換 σ2\sigma_2 の符号を求めます。
σ2\sigma_2(1 n)(2 n1)(1\ n)(2\ n-1) \cdots という互換の積で表されます。
nn が偶数のとき、σ2\sigma_2n/2n/2 個の互換の積で表されます。
nn が奇数のとき、σ2\sigma_2(n1)/2(n-1)/2 個の互換と動かない要素を含みます。
したがって、nn の偶奇に関わらず σ2\sigma_2n2\lfloor \frac{n}{2} \rfloor 個の互換の積で表されます。
σ2\sigma_2 の符号は (1)n2(-1)^{\lfloor \frac{n}{2} \rfloor} です。
もう一つの解法としては、転倒数を用いる方法があります。σ2\sigma_2の転倒数をI(σ2)I(\sigma_2)とすると、
I(σ2)=(n1)+(n2)++1+0=n(n1)2I(\sigma_2) = (n-1) + (n-2) + \cdots + 1 + 0 = \frac{n(n-1)}{2}
よって、σ2\sigma_2の符号は (1)n(n1)2(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}です。
nnが偶数の時、n=2kn=2kとすると、n(n1)2=k(2k1)\frac{n(n-1)}{2} = k(2k-1)k(2k1)k(mod2)k(2k-1) \equiv k \pmod{2}
nnが奇数の時、n=2k+1n=2k+1とすると、n(n1)2=k(2k+1)\frac{n(n-1)}{2} = k(2k+1)k(2k+1)k(mod2)k(2k+1) \equiv k \pmod{2}
よって、(1)n(n1)2=(1)n2(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}} = (-1)^{\lfloor \frac{n}{2} \rfloor}

3. 最終的な答え

(1) σ1\sigma_1 の符号は 11 です。
(2) σ2\sigma_2 の符号は (1)n2(-1)^{\lfloor \frac{n}{2} \rfloor} です。

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