a) スカラー関数 $\phi = 4x^2z + y^2z^3$ の勾配 $\nabla \phi$ を求める。 b) 全微分 $dz$ が $dz = \nabla f \cdot dr$ で与えられることを導出する。ただし、$f$ は $z = f(x, y)$ で定義される関数、$r$ は位置ベクトルとする。

1. 問題の内容

a) スカラー関数 $\phi = 4x^2z + y^2z^3$ の勾配 $\nabla \phi$ を求める。

b) 全微分 $dz$ が $dz = \nabla f \cdot dr$ で与えられることを導出する。ただし、$f$ は $z = f(x, y)$ で定義される関数、$r$ は位置ベクトルとする。

2. 解き方の手順

a) 勾配 $\nabla \phi$ の計算

スカラー関数 $\phi$ の勾配は、各変数に関する偏微分ベクトルで与えられます。つまり、

$\nabla \phi = \left( \frac{\partial \phi}{\partial x}, \frac{\partial \phi}{\partial y}, \frac{\partial \phi}{\partial z} \right)$

与えられた $\phi = 4x^2z + y^2z^3$ について、各偏微分を計算します。

$\frac{\partial \phi}{\partial x} = 8xz$

$\frac{\partial \phi}{\partial y} = 2yz^3$

$\frac{\partial \phi}{\partial z} = 4x^2 + 3y^2z^2$

したがって、

$\nabla \phi = (8xz, 2yz^3, 4x^2 + 3y^2z^2)$

b) 全微分 $dz$ の導出

$z$ が $x$ と $y$ の関数であるとき、$z = f(x, y)$ と書けます。このとき、$z$ の全微分 $dz$ は、

$dz = \frac{\partial f}{\partial x} dx + \frac{\partial f}{\partial y} dy$

ここで、勾配 $\nabla f$ は、

$\nabla f = \left( \frac{\partial f}{\partial x}, \frac{\partial f}{\partial y} \right)$

位置ベクトル $r$ の微分 $dr$ は、

$dr = (dx, dy)$

したがって、$\nabla f$ と $dr$ の内積は、

$\nabla f \cdot dr = \frac{\partial f}{\partial x} dx + \frac{\partial f}{\partial y} dy$

これは全微分 $dz$ に等しいので、

$dz = \nabla f \cdot dr$

3. 最終的な答え

a) $\nabla \phi = (8xz, 2yz^3, 4x^2 + 3y^2z^2)$

b) $dz = \nabla f \cdot dr$