まず、ファクターの定義を確認します。ファクターとは、実際の濃度が理論濃度とどれだけずれているかを示す係数です。
この問題では、0.05 mol/L EDTA溶液のファクターが 1.011 であることから、実際のEDTA溶液の濃度は、 0.05 mol/L×1.011=0.05055 mol/L となります。
次に、標準物質のモル数を求めます。標準物質の種類が不明であるため、標準物質のモル質量をMとします。
標準物質のモル数は、
M0.8012 mol となります。
EDTAと標準物質の反応比が1:1であると仮定すると、滴定に要したEDTAのモル数は標準物質のモル数と等しくなります。
滴定に要したEDTAの容量をV (L)とすると、
0.05055 mol/L×V L=M0.8012 mol となります。
この式をVについて解くと、
V=M×0.050550.8012 L となります。
問題文から標準物質の種類を特定することができないため、ここでは標準物質が炭酸ナトリウム (Na2CO3, 分子量 105.99 g/mol) であると仮定して計算を進めます。 Na2CO3 のモル質量 M=105.99 g/mol を用いて、 V=105.99×0.050550.8012 L=5.35744450.8012 L=0.14955 L となります。
1 L=1000 mL より、 V=0.14955 L×1000 mL/L=14.955 mL 小数点以下2桁で四捨五入すると、14.96 mL となります。