整数 $a$, $b$ について、積 $ab$ が 3 の倍数ならば、$a$ または $b$ は 3 の倍数であることを、対偶を考えることによって証明する。

数論整数の性質倍数対偶証明
2025/8/1

1. 問題の内容

整数 aa, bb について、積 abab が 3 の倍数ならば、aa または bb は 3 の倍数であることを、対偶を考えることによって証明する。

2. 解き方の手順

対偶を考える。元の命題の対偶は「aabb も 3 の倍数でないならば、abab は 3 の倍数でない」となる。
aabb も 3 の倍数でないとき、a=3k+1a = 3k+1 または a=3k+2a = 3k+2b=3l+1b = 3l+1 または b=3l+2b = 3l+2 (ただし、k,lk, l は整数) と表せる。
(1) a=3k+1a = 3k+1 かつ b=3l+1b = 3l+1 のとき
ab=(3k+1)(3l+1)=9kl+3k+3l+1=3(3kl+k+l)+1ab = (3k+1)(3l+1) = 9kl + 3k + 3l + 1 = 3(3kl + k + l) + 1 となり、abab は 3 の倍数ではない。
(2) a=3k+1a = 3k+1 かつ b=3l+2b = 3l+2 のとき
ab=(3k+1)(3l+2)=9kl+6k+3l+2=3(3kl+2k+l)+2ab = (3k+1)(3l+2) = 9kl + 6k + 3l + 2 = 3(3kl + 2k + l) + 2 となり、abab は 3 の倍数ではない。
(3) a=3k+2a = 3k+2 かつ b=3l+1b = 3l+1 のとき
ab=(3k+2)(3l+1)=9kl+3k+6l+2=3(3kl+k+2l)+2ab = (3k+2)(3l+1) = 9kl + 3k + 6l + 2 = 3(3kl + k + 2l) + 2 となり、abab は 3 の倍数ではない。
(4) a=3k+2a = 3k+2 かつ b=3l+2b = 3l+2 のとき
ab=(3k+2)(3l+2)=9kl+6k+6l+4=9kl+6k+6l+3+1=3(3kl+2k+2l+1)+1ab = (3k+2)(3l+2) = 9kl + 6k + 6l + 4 = 9kl + 6k + 6l + 3 + 1 = 3(3kl + 2k + 2l + 1) + 1 となり、abab は 3 の倍数ではない。
いずれの場合も、abab は 3 の倍数ではない。
したがって、対偶が真であることが示されたので、元の命題も真である。

3. 最終的な答え

整数 aa, bb について、積 abab が 3 の倍数ならば、aa または bb は 3 の倍数である。 (証明終わり)

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