自然数 $n \geq 2$ が素数であるか、または素数の積であることを、累積帰納法を用いて証明する。

数論素数素因数分解数学的帰納法累積帰納法
2025/8/2

1. 問題の内容

自然数 n2n \geq 2 が素数であるか、または素数の積であることを、累積帰納法を用いて証明する。

2. 解き方の手順

累積帰納法を用いて証明する。
(1) 基底の場合: n=2n = 2 のとき、22 は素数なので、成り立つ。
(2) 帰納的仮定: ある自然数 k2k \geq 2 に対して、22 から kk までのすべての自然数 nn が、素数であるか、または素数の積であると仮定する。
(3) 帰納的ステップ: k+1k+1 が素数であるか、または素数の積であることを示す。
* もし k+1k+1 が素数ならば、証明は完了する。
* もし k+1k+1 が素数でないならば、k+1=abk+1 = a \cdot b と書ける。ここで、1<a<k+11 < a < k+1 かつ 1<b<k+11 < b < k+1 である。
1<a<k+11 < a < k+1 より、aa22 から kk までのいずれかの自然数であるから、帰納的仮定より、aa は素数であるか、または素数の積である。同様に、bb22 から kk までのいずれかの自然数であるから、帰納的仮定より、bb は素数であるか、または素数の積である。
したがって、k+1=abk+1 = a \cdot b は、素数または素数の積である数 aabb の積であるから、k+1k+1 自身も素数または素数の積である。
(1), (2), (3) より、累積帰納法により、n2n \geq 2 であるすべての自然数 nn に対して、nn は素数であるか、または素数の積であることが証明された。

3. 最終的な答え

自然数 n2n \geq 2 は、素数あるいは素数の積である。

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