問題3は、行列 $A = \begin{pmatrix} 4 & 0 & -3 \\ 0 & -2 & 0 \\ -3 & 0 & 4 \end{pmatrix}$ に対して、以下の問いに答えるものです。 (1) (a) $A$ が正規行列であることを確かめる。 (b) $A$ の固有値と固有ベクトルを全て求める。 (c) ユニタリ行列 $U$ を求め、$U^*AU$ が対角行列となるようにする。 (2) $A^n$ ($n \in \mathbb{N}$) を求める。
2025/8/2
はい、承知いたしました。画像に写っている問題について解説します。
1. 問題の内容
問題3は、行列 に対して、以下の問いに答えるものです。
(1)
(a) が正規行列であることを確かめる。
(b) の固有値と固有ベクトルを全て求める。
(c) ユニタリ行列 を求め、 が対角行列となるようにする。
(2) () を求める。
2. 解き方の手順
(1) (a) が正規行列であることを確かめる。
正規行列であるためには、 を満たす必要があります。ここで、 は の随伴行列(複素共役転置)です。は実行列なので(の転置行列)となります。
したがって、 が成立するので、 は正規行列です。
(1) (b) の固有値と固有ベクトルを全て求める。
固有値を求めるには、特性方程式 を解きます。ここで、 は単位行列です。
したがって、固有値は です。
各固有値に対応する固有ベクトルを求めます。
のとき:
より 。 は任意。
したがって、 または が固有ベクトルとなります。
に垂直な固有ベクトルは。
のとき:
より 。 より 。
したがって、 が固有ベクトルとなります。
のとき:
より 。 より 。
したがって、 が固有ベクトルとなります。
(1) (c) ユニタリ行列 を求め、 が対角行列となるようにする。
固有ベクトルを正規化します。
ユニタリ行列は正規直交化した固有ベクトルを並べて作ります。
(2) () を求める。
, ここで は対角行列なので、.
3. 最終的な答え
(1) (a) は正規行列である。(証明済み)
(1) (b) 固有値:
固有ベクトル:
(1) (c) ,
(2) ここで