実数 $a$ を含む $x$ の4次方程式 $x^4 + 2ax^2 - a + 2 = 0$ について、以下の問題を解く。 (1) この方程式が実数解をもたないような $a$ の値の範囲を求める。 (2) この方程式が異なる2つの実数解をもつような $a$ の値の範囲を求める。

代数学四次方程式二次方程式判別式実数解解の範囲
2025/8/2

1. 問題の内容

実数 aa を含む xx の4次方程式 x4+2ax2a+2=0x^4 + 2ax^2 - a + 2 = 0 について、以下の問題を解く。
(1) この方程式が実数解をもたないような aa の値の範囲を求める。
(2) この方程式が異なる2つの実数解をもつような aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(1) x2=tx^2 = t とおくと、与えられた方程式は t2+2ata+2=0t^2 + 2at - a + 2 = 0 となる。
この tt の二次方程式が実数解を持たない、または tt の二次方程式が実数解を持つが、その解がすべて負であるとき、与えられた xx の方程式は実数解を持たない。
tt の二次方程式の判別式を DD とすると、D=(2a)24(1)(a+2)=4a2+4a8=4(a2+a2)=4(a+2)(a1)D = (2a)^2 - 4(1)(-a + 2) = 4a^2 + 4a - 8 = 4(a^2 + a - 2) = 4(a + 2)(a - 1) となる。
D<0D < 0 のとき、つまり 2<a<1-2 < a < 1 のとき、tt の二次方程式は実数解を持たないため、xx の方程式も実数解を持たない。
D0D \ge 0 のとき、つまり a2a \le -2 または a1a \ge 1 のとき、tt の二次方程式は実数解を持つ。
tt の二次方程式の2つの解を α,β\alpha, \beta とすると、解と係数の関係より α+β=2a\alpha + \beta = -2a, αβ=a+2\alpha \beta = -a + 2 である。
α<0\alpha < 0 かつ β<0\beta < 0 であるためには、α+β<0\alpha + \beta < 0 かつ αβ>0\alpha \beta > 0 であればよい。
2a<0-2a < 0 より a>0a > 0, a+2>0-a + 2 > 0 より a<2a < 2。したがって、0<a<20 < a < 2 となる。
a2a \le -2 または a1a \ge 1 かつ 0<a<20 < a < 2 を満たす aa の範囲は 1a<21 \le a < 2 である。
したがって、xx の方程式が実数解を持たないような aa の範囲は、2<a<1-2 < a < 1 または 1a<21 \le a < 2 とならないので、ttが負の解を持つ条件を検討する必要がある。
ttが負の解を持つには、D>0D>0かつ、解の積が正(αβ>0\alpha \beta > 0)、解の和が負(α+β<0\alpha + \beta < 0)。
D>0D>0より、a<2,a>1a<-2, a>1
αβ>0\alpha \beta > 0よりa+2>0-a+2 >0a<2a < 2
α+β<0\alpha + \beta < 0より2a<0-2a < 0a>0a > 0
よって、1<a<21 < a < 2
ttが0以下の解を少なくとも一つ持つ条件は、a<2,a>1a<-2, a>1を満たすaaのとき。
tt の方程式が実数解を持たない場合、xx の方程式も実数解を持たない。
よって、2<a<1-2 < a < 1
(2) tt の二次方程式が異なる2つの実数解をもち、そのうち1つが正、もう1つが負であれば、xx の方程式は異なる2つの実数解を持つ。
つまり、D>0D > 0 かつ αβ<0\alpha \beta < 0 であればよい。
D>0D > 0 より a<2a < -2 または a>1a > 1
αβ<0\alpha \beta < 0 より a+2<0-a + 2 < 0, つまり a>2a > 2
したがって、a>2a > 2

3. 最終的な答え

(1) 2<a<1-2 < a < 1
(2) a>2a > 2

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