1. 問題の内容
束に関する以下の2つの問題を解きます。
1. 束の公理を用いて $a \vee a = a$ を示す。
2. 束L上の演算 $ \vee $ によって定義される関係「$a, b \in L, a \vee b = b$ ならば $a \leq b$」が半順序関係となることを示す。
2. 解き方の手順
1. $a \vee a = a$ を示す。
束の公理には、冪等律が含まれます。冪等律は と を満たすことを意味します。したがって、束の公理より、 は自明に成り立ちます。
2. 関係「$a, b \in L, a \vee b = b$ ならば $a \leq b$」が半順序関係となることを示す。
半順序関係であるためには、以下の3つの性質を満たす必要があります。
* 反射律: 任意の に対して
* 反対称律: 任意の に対して かつ ならば
* 推移律: 任意の に対して かつ ならば
* 反射律:
(冪等律)が成り立つので、定義より となります。
* 反対称律:
かつ を仮定します。これは かつ を意味します。
束の公理より交換律が成り立つので、。
したがって、 となり、 が示されます。
* 推移律:
かつ を仮定します。これは かつ を意味します。
(結合律を使用)
したがって、 より が示されます。
以上の3つの性質が成り立つため、関係「 ならば 」は半順序関係です。