袋の中に1から6までの数字が書かれた6枚のカードが入っている。この袋から同時に3枚のカードを取り出すとき、取り出されたカードに書かれている数の最小値を確率変数 $X$ とする。 (1) 確率変数 $X$ の期待値を求めよ。 (2) 確率変数 $X$ の分散を求めよ。 (3) 確率変数 $X$ の標準偏差を求めよ。

確率論・統計学期待値分散標準偏差確率変数組合せ
2025/8/3

1. 問題の内容

袋の中に1から6までの数字が書かれた6枚のカードが入っている。この袋から同時に3枚のカードを取り出すとき、取り出されたカードに書かれている数の最小値を確率変数 XX とする。
(1) 確率変数 XX の期待値を求めよ。
(2) 確率変数 XX の分散を求めよ。
(3) 確率変数 XX の標準偏差を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 期待値を求める。
まず、XX の取りうる値を考える。XX は3枚のカードの中で最小の数なので、1から4までの値を取りうる。
次に、XX がそれぞれの値をとる確率を求める。
カードの取り出し方は全部で 6C3=6×5×43×2×1=20{}_6 C_3 = \frac{6 \times 5 \times 4}{3 \times 2 \times 1} = 20 通りである。
- X=1X=1 となるのは、1のカードを含み、残りの2枚が2から6のカードから選ばれる場合である。その場合の数は 5C2=5×42×1=10{}_5 C_2 = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10 通り。よって、P(X=1)=1020=12P(X=1) = \frac{10}{20} = \frac{1}{2}
- X=2X=2 となるのは、2のカードを含み、1のカードを含まず、残りの2枚が3から6のカードから選ばれる場合である。その場合の数は 4C2=4×32×1=6{}_4 C_2 = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6 通り。よって、P(X=2)=620=310P(X=2) = \frac{6}{20} = \frac{3}{10}
- X=3X=3 となるのは、3のカードを含み、1と2のカードを含まず、残りの2枚が4から6のカードから選ばれる場合である。その場合の数は 3C2=3×22×1=3{}_3 C_2 = \frac{3 \times 2}{2 \times 1} = 3 通り。よって、P(X=3)=320P(X=3) = \frac{3}{20}
- X=4X=4 となるのは、4のカードを含み、1,2,3のカードを含まず、残りの2枚が5と6のカードから選ばれる場合である。その場合の数は 2C2=1{}_2 C_2 = 1 通り。よって、P(X=4)=120P(X=4) = \frac{1}{20}
期待値 E(X)E(X) は、各値とその確率の積の和である。
E(X)=1×12+2×310+3×320+4×120=1020+1220+920+420=3520=74E(X) = 1 \times \frac{1}{2} + 2 \times \frac{3}{10} + 3 \times \frac{3}{20} + 4 \times \frac{1}{20} = \frac{10}{20} + \frac{12}{20} + \frac{9}{20} + \frac{4}{20} = \frac{35}{20} = \frac{7}{4}
(2) 分散を求める。
分散 V(X)V(X) は、E(X2)(E(X))2E(X^2) - (E(X))^2 で求められる。
まず、E(X2)E(X^2) を求める。
E(X2)=12×12+22×310+32×320+42×120=1020+2420+2720+1620=7720E(X^2) = 1^2 \times \frac{1}{2} + 2^2 \times \frac{3}{10} + 3^2 \times \frac{3}{20} + 4^2 \times \frac{1}{20} = \frac{10}{20} + \frac{24}{20} + \frac{27}{20} + \frac{16}{20} = \frac{77}{20}
次に、(E(X))2=(74)2=4916(E(X))^2 = (\frac{7}{4})^2 = \frac{49}{16}
V(X)=E(X2)(E(X))2=77204916=77×420×449×516×5=3088024580=6380V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = \frac{77}{20} - \frac{49}{16} = \frac{77 \times 4}{20 \times 4} - \frac{49 \times 5}{16 \times 5} = \frac{308}{80} - \frac{245}{80} = \frac{63}{80}
(3) 標準偏差を求める。
標準偏差 σ(X)\sigma(X) は、分散の平方根である。
σ(X)=V(X)=6380=9×716×5=3475=34355=33520\sigma(X) = \sqrt{V(X)} = \sqrt{\frac{63}{80}} = \sqrt{\frac{9 \times 7}{16 \times 5}} = \frac{3}{4} \sqrt{\frac{7}{5}} = \frac{3}{4} \frac{\sqrt{35}}{5} = \frac{3\sqrt{35}}{20}

3. 最終的な答え

(1) 期待値: 74\frac{7}{4}
(2) 分散: 6380\frac{63}{80}
(3) 標準偏差: 33520\frac{3\sqrt{35}}{20}

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