問題文には以下の3つの小問があります。 (1) $\cos 10^\circ$ の値を求め、有理数で答えなさい。ただし、$\sin 10^\circ = \frac{4}{23}$ および $\tan 10^\circ = \frac{3}{17}$ の近似値を用いること。 (2) $\angle APB = 20^\circ$ のとき、点Pから線分ABまでの距離[cm]を求めなさい。ただし、必要なときは最後に小数点以下を四捨五入して、整数値で答えなさい。 (3) 前問とは別に、点Pから線分ABまでの距離が32cmのとき、$\cos \angle APB$ の値を求めなさい。

1. 問題の内容

問題文には以下の3つの小問があります。

(1) $\cos 10^\circ$ の値を求め、有理数で答えなさい。ただし、$\sin 10^\circ = \frac{4}{23}$ および $\tan 10^\circ = \frac{3}{17}$ の近似値を用いること。

(2) $\angle APB = 20^\circ$ のとき、点Pから線分ABまでの距離[cm]を求めなさい。ただし、必要なときは最後に小数点以下を四捨五入して、整数値で答えなさい。

(3) 前問とは別に、点Pから線分ABまでの距離が32cmのとき、$\cos \angle APB$ の値を求めなさい。

2. 解き方の手順

(1) $\cos 10^\circ$ の値を求める問題です。三角関数の相互関係 $\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1$ を利用します。

$\cos^2 10^\circ = 1 - \sin^2 10^\circ$

$\cos 10^\circ = \sqrt{1 - \sin^2 10^\circ}$

$\sin 10^\circ = \frac{4}{23}$ を代入して計算します。

(2) $\angle APB = 20^\circ$ のときの点Pから線分ABまでの距離を求める問題です。三角形APBは二等辺三角形なので、ABの中点をMとすると、PMはABの垂直二等分線となります。したがって、$\angle APM = \angle BPM = 10^\circ$ です。また、ABの長さは16cmなので、AM = BM = 8cmです。

$\tan 10^\circ = \frac{AM}{PM}$

$PM = \frac{AM}{\tan 10^\circ}$

$\tan 10^\circ = \frac{3}{17}$ および AM = 8 を代入して計算します。

(3) 点Pから線分ABまでの距離が32cmのときの $\cos \angle APB$ の値を求める問題です。点Pから線分ABへの垂線の足をMとすると、PM = 32cm、AM = BM = 8cmとなります。

$\tan (\frac{1}{2} \angle APB) = \frac{AM}{PM} = \frac{8}{32} = \frac{1}{4}$

ここで、$\theta = \frac{1}{2} \angle APB$ とおくと、$\tan \theta = \frac{1}{4}$ です。

$\cos 2\theta = \frac{1-\tan^2 \theta}{1+\tan^2 \theta}$ を利用して、$\cos \angle APB$ を計算します。

3. 最終的な答え

(1)

$\cos 10^\circ = \sqrt{1 - (\frac{4}{23})^2} = \sqrt{1 - \frac{16}{529}} = \sqrt{\frac{529-16}{529}} = \sqrt{\frac{513}{529}} = \frac{\sqrt{513}}{23}$

(2)

$PM = \frac{8}{\frac{3}{17}} = \frac{8 \cdot 17}{3} = \frac{136}{3} \approx 45.33$

小数点以下を四捨五入すると、45cmです。

(3)

$\tan \theta = \frac{1}{4}$ なので、

$\cos \angle APB = \cos 2\theta = \frac{1-(\frac{1}{4})^2}{1+(\frac{1}{4})^2} = \frac{1-\frac{1}{16}}{1+\frac{1}{16}} = \frac{\frac{15}{16}}{\frac{17}{16}} = \frac{15}{17}$

答え：

(1) $\frac{\sqrt{513}}{23}$

(2) 45 cm

(3) $\frac{15}{17}$