ある植物の発芽率が従来75%であった。品種改良後、300個の種をまいたところ、237個が発芽した。有意水準5%で、発芽率が向上したと判断できるかを検定する。 (1) 品種改良後の植物の発芽率を$p$とする。帰無仮説と対立仮説、および$X$の分布、期待値、標準偏差を求める。 (2) $Z$を標準化された変数として、有意水準5%での棄却域を求め、与えられた$X=237$の場合について、帰無仮説が棄却されるかどうか、発芽率が向上したと判断できるかどうかを判断する。

確率論・統計学仮説検定二項分布統計的推測有意水準棄却域
2025/8/3
以下に、問題の解答を示します。

1. 問題の内容

ある植物の発芽率が従来75%であった。品種改良後、300個の種をまいたところ、237個が発芽した。有意水準5%で、発芽率が向上したと判断できるかを検定する。
(1) 品種改良後の植物の発芽率をppとする。帰無仮説と対立仮説、およびXXの分布、期待値、標準偏差を求める。
(2) ZZを標準化された変数として、有意水準5%での棄却域を求め、与えられたX=237X=237の場合について、帰無仮説が棄却されるかどうか、発芽率が向上したと判断できるかどうかを判断する。

2. 解き方の手順

(1)
- 帰無仮説は「発芽率は75%(p=0.75p=0.75)である」である。
- 対立仮説は「発芽率は75%より大きい(p>0.75p>0.75)」である。
- XXは二項分布B(300,p)B(300, p)に従う。帰無仮説が正しいとすると、p=0.75=34p=0.75 = \frac{3}{4}なので、XXは二項分布B(300,34)B(300, \frac{3}{4})に従う。
- XXの期待値はE(X)=np=300×34=225E(X) = np = 300 \times \frac{3}{4} = 225
- XXの標準偏差はσ(X)=np(1p)=300×34×14=90016=56.25=7.5\sigma(X) = \sqrt{np(1-p)} = \sqrt{300 \times \frac{3}{4} \times \frac{1}{4}} = \sqrt{\frac{900}{16}} = \sqrt{56.25} = 7.5
(2)
- Z=XE(X)σ(X)=X2257.5Z = \frac{X - E(X)}{\sigma(X)} = \frac{X - 225}{7.5}
- 有意水準5%での棄却域はP(Zzα)=0.05P(Z \geq z_{\alpha}) = 0.05となるzαz_{\alpha}を求める。P(Zzα)=0.95P(Z \leq z_{\alpha}) = 0.95なので、zα=1.645z_{\alpha} = 1.645である。したがって、棄却域はZ1.645Z \geq 1.645
- X=237X = 237のとき、Z=2372257.5=127.5=1.6Z = \frac{237 - 225}{7.5} = \frac{12}{7.5} = 1.6
- Z=1.6<1.645Z = 1.6 < 1.645なので、帰無仮説は棄却されない。
- したがって、発芽率が向上したとは判断できない。

3. 最終的な答え

1: 1
2: 3
3: 3/4
4: 3/4
5: 2
6: 2
7: 5
8: 7
9: 5
10:

1. 11: 6

12: 45
13:

1. 14: 6

15: 2
16: 2

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