数直線上を動く点Pがあり、硬貨を投げて表が出たら正の方向に1、裏が出たら負の方向に1動く。Pが初めて正または負の方向に動いた後、原点に戻るたびに1点を獲得する。 (1) 硬貨を2回投げたとき、Pが原点にある確率を求める。 (2) 硬貨を4回投げたとき、 (i) Pが原点にある確率を求める。 (ii) 4回目に初めて1点を獲得する確率を求める。 (iii) 獲得する点数の合計の期待値を求める。 (3) 硬貨を6回投げたとき、1点も獲得しない確率を求める。

確率論・統計学確率期待値確率分布数直線硬貨
2025/8/3

1. 問題の内容

数直線上を動く点Pがあり、硬貨を投げて表が出たら正の方向に1、裏が出たら負の方向に1動く。Pが初めて正または負の方向に動いた後、原点に戻るたびに1点を獲得する。
(1) 硬貨を2回投げたとき、Pが原点にある確率を求める。
(2) 硬貨を4回投げたとき、
(i) Pが原点にある確率を求める。
(ii) 4回目に初めて1点を獲得する確率を求める。
(iii) 獲得する点数の合計の期待値を求める。
(3) 硬貨を6回投げたとき、1点も獲得しない確率を求める。

2. 解き方の手順

(1)
2回硬貨を投げて原点に戻るには、表と裏が1回ずつ出る必要がある。
表裏の順と裏表の順の2通りがある。
全体の場合の数は 2×2=42 \times 2 = 4 通り。
よって、求める確率は 2/4=1/22/4 = 1/2
(2)
(i) 4回硬貨を投げて原点に戻るには、表と裏が2回ずつ出る必要がある。
表、表、裏、裏の並べ方は 4C2=6_4 C _2 = 6 通り。
全体の場合の数は 24=162^4 = 16 通り。
よって、求める確率は 6/16=3/86/16 = 3/8
(ii) 4回目に初めて1点を獲得するとは、1回目、2回目、3回目で原点に戻らず、4回目で初めて原点に戻るということである。
1回目に表が出た場合、2回目、3回目で-1に到達せず、4回目に原点に戻る必要がある。
1回目に表が出た場合、2回目は必ず表である必要がある。
そうでない場合、Pは0にいるので、1回目に動いた状態にないからである。
3回目に裏が出ると、Pは0にいるので、1回目に動いた状態にないからである。
よって、1回目から4回目まで、表、表、表、裏となる必要がある。
1回目に裏が出た場合も同様に考えると、裏、裏、裏、表となる必要がある。
表、表、表、裏となる確率は 12×12×12×12=116\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{16}
裏、裏、裏、表となる確率も同様に 116\frac{1}{16}
よって、求める確率は 116+116=216=18\frac{1}{16} + \frac{1}{16} = \frac{2}{16} = \frac{1}{8}
(iii)
4回硬貨を投げたとき、獲得できる点数は0点か1点である。
0点のとき、表が4回または裏が4回出る場合と、表3回裏1回、表1回裏3回の場合のうち、一度も原点に戻らない場合である。
Pが原点に戻る回数の期待値を求める。
1点獲得する確率を考えると、4回目に初めて原点に戻る確率が1/8。
原点に戻る確率は3/8。
2回原点に戻る確率は存在しない。
よって、期待値は1 * 3/8 + 0 * 5/8 = 3/8
(3)
6回硬貨を投げたとき、1点も獲得しないとは、一度も原点に戻らないということである。
1度も原点に戻らないとは、常に正の方向に進む、または常に負の方向に進む場合か、正と負の回数に差があり、一度も原点に戻らない場合である。
常に正の方向に進む確率は (1/2)6=1/64(1/2)^6 = 1/64
常に負の方向に進む確率は (1/2)6=1/64(1/2)^6 = 1/64
表5回裏1回の場合、1度も原点に戻らない。この確率は 6C1(1/2)6=6/64_6 C _1 (1/2)^6 = 6/64
裏5回表1回の場合、1度も原点に戻らない。この確率は 6C5(1/2)6=6/64_6 C _5 (1/2)^6 = 6/64
表4回裏2回の場合、1度も原点に戻らないのは表表表表裏裏。これは1/64ではない。
したがって求める確率は 1/64+1/64+6/64+6/64=14/64=7/321/64 + 1/64 + 6/64 + 6/64 = 14/64 = 7/32

3. 最終的な答え

(1) 1/2
(2)
(i) 3/8
(ii) 1/8
(iii) 3/8
(3) 7/32

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