$\bar{x} = \frac{68 + 71 + 74 + 75 + 77 + 78}{6} = \frac{443}{6} \approx 73.83$ cm

確率論・統計学信頼区間t検定仮説検定統計的推測標本平均不偏分散両側検定有意水準
2025/8/3
## 問題の内容
**問5:** 与えられた鮭の体長データ(68cm, 71cm, 74cm, 75cm, 77cm, 78cm)を用いて、母平均 μ\mu を信頼係数95%で推定する。信頼限界は小数第1位まで求める。
**問6(1):** 日本全国の18歳男子の平均身長が171.2cmであるのに対し、K市の18歳男子12人の平均身長が174.9cm、不偏分散が43.2 cm2^2 である。K市の18歳男子の平均身長は日本全国の平均身長より高いと言えるかを有意水準5%で両側検定する。帰無仮説、対立仮説、限界値を示す。
**問6(2):** 問6(1)と同じ検定を有意水準10%で行う。
**問7:** 2つのグループ(各7匹)の蛾の幼虫の生育日数を観測し、一方のグループは15℃、もう一方のグループは20℃で飼育した。各グループの平均と不偏分散が与えられている。室温の差が蛾の生育日数に影響を与えたかどうかを有意水準5%で検定する。帰無仮説、対立仮説、限界値を示す。
## 解き方の手順
**問5:**

1. 標本平均 $\bar{x}$ を計算する。

xˉ=68+71+74+75+77+786=443673.83\bar{x} = \frac{68 + 71 + 74 + 75 + 77 + 78}{6} = \frac{443}{6} \approx 73.83 cm

2. 不偏分散 $s^2$ を計算する。

s2=i=1n(xixˉ)2n1s^2 = \frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})^2}{n-1}
s2=(6873.83)2+(7173.83)2+(7473.83)2+(7573.83)2+(7773.83)2+(7873.83)261=74.83514.966s^2 = \frac{(68-73.83)^2 + (71-73.83)^2 + (74-73.83)^2 + (75-73.83)^2 + (77-73.83)^2 + (78-73.83)^2}{6-1} = \frac{74.83}{5} \approx 14.966

3. 標準偏差 $s$ を計算する。

s=s2=14.9663.8686s = \sqrt{s^2} = \sqrt{14.966} \approx 3.8686

4. 標準誤差を計算する。

SE=sn=3.868661.5794SE = \frac{s}{\sqrt{n}} = \frac{3.8686}{\sqrt{6}} \approx 1.5794

5. 自由度 $df = n - 1 = 6 - 1 = 5$ のt分布における95%信頼区間の臨界値 $t_{0.025, 5}$ を求める。これは、tテーブルから2.571であることがわかる。

6. 信頼区間を計算する。

信頼区間 = xˉ±t0.025,5×SE=73.83±2.571×1.5794=73.83±4.06\bar{x} \pm t_{0.025, 5} \times SE = 73.83 \pm 2.571 \times 1.5794 = 73.83 \pm 4.06
**問6(1):**

1. 帰無仮説 $H_0$: K市の18歳男子の平均身長 $\mu$ は日本全国の平均身長と等しい ($ \mu = 171.2$ cm)。

2. 対立仮説 $H_1$: K市の18歳男子の平均身長 $\mu$ は日本全国の平均身長と異なる ($ \mu \neq 171.2$ cm)。

3. 検定統計量 $t$ を計算する。母分散が未知であるため、t検定を行う。

t=xˉμ0s/nt = \frac{\bar{x} - \mu_0}{s / \sqrt{n}}
ここで、xˉ=174.9\bar{x} = 174.9 cm, μ0=171.2\mu_0 = 171.2 cm, s2=43.2s^2 = 43.2 cm2^2, n=12n = 12 である。
s=43.26.573s = \sqrt{43.2} \approx 6.573
t=174.9171.26.573/123.71.8971.950t = \frac{174.9 - 171.2}{6.573 / \sqrt{12}} \approx \frac{3.7}{1.897} \approx 1.950

4. 自由度 $df = n - 1 = 12 - 1 = 11$ のt分布における有意水準5%の両側検定の臨界値を求める。tテーブルから $t_{0.025, 11} = 2.201$ である。

5. $|t| = 1.950 < 2.201$ より、帰無仮説を棄却できない。

**問6(2):**

1. 手順は問6(1)と同じ。ただし、有意水準が10%であるため、臨界値が異なる。

2. 自由度 $df = 11$ のt分布における有意水準10%の両側検定の臨界値を求める。tテーブルから $t_{0.05, 11} = 1.796$ である。

3. $|t| = 1.950 > 1.796$ より、帰無仮説を棄却する。

**問7:**

1. 帰無仮説 $H_0$: 室温は蛾の生育日数に影響を与えない。つまり、2つのグループの平均生育日数は等しい ($ \mu_1 = \mu_2 $)。

2. 対立仮説 $H_1$: 室温は蛾の生育日数に影響を与える。つまり、2つのグループの平均生育日数は異なる ($ \mu_1 \neq \mu_2 $)。

3. 検定統計量 $t$ を計算する。

t=xˉ1xˉ2(σ^12+σ^22)/nt = \frac{\bar{x}_1 - \bar{x}_2}{\sqrt{(\hat{\sigma}_1^2 + \hat{\sigma}_2^2)/n}}
ここで、xˉ1=34\bar{x}_1 = 34, xˉ2=25\bar{x}_2 = 25, σ^12=4.667\hat{\sigma}_1^2 = 4.667, σ^22=4.667\hat{\sigma}_2^2 = 4.667, n=7n = 7 である。
t=3425(4.667+4.667)/7=99.334/791.333491.15477.794t = \frac{34 - 25}{\sqrt{(4.667 + 4.667)/7}} = \frac{9}{\sqrt{9.334/7}} \approx \frac{9}{\sqrt{1.3334}} \approx \frac{9}{1.1547} \approx 7.794

4. 自由度 $df = n_1 + n_2 - 2 = 7 + 7 - 2 = 12$ のt分布における有意水準5%の両側検定の臨界値を求める。tテーブルから $t_{0.025, 12} = 2.179$ である。

5. $|t| = 7.794 > 2.179$ より、帰無仮説を棄却する。

## 最終的な答え
**問5:** 信頼区間は (69.8, 77.9) cm
**問6(1):**
* 帰無仮説: μ=171.2\mu = 171.2 cm
* 対立仮説: μ171.2\mu \neq 171.2 cm
* 検定統計量: t=1.950t = 1.950
* 限界値: t0.025,11=2.201t_{0.025, 11} = 2.201
* 結論: 帰無仮説を棄却できない。K市の18歳男子の平均身長は日本全国の平均身長と異なるとは言えない。
**問6(2):**
* 検定統計量: t=1.950t = 1.950
* 限界値: t0.05,11=1.796t_{0.05, 11} = 1.796
* 結論: 帰無仮説を棄却する。K市の18歳男子の平均身長は日本全国の平均身長と異なると言える。
**問7:**
* 帰無仮説: 室温は蛾の生育日数に影響を与えない。
* 対立仮説: 室温は蛾の生育日数に影響を与える。
* 検定統計量: t=7.794t = 7.794
* 限界値: t0.025,12=2.179t_{0.025, 12} = 2.179
* 結論: 帰無仮説を棄却する。室温の差は蛾の生育日数に影響を与えると言える。

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