(1) AとBの2人がじゃんけんをする。あいこの場合は繰り返すが、じゃんけんの回数は最大で$n$回とする。このとき、Aが勝つ確率を求めよ。 (2) A, B, Cの3人がじゃんけんをする。1回目は3人で始め、負けた者は抜けることとしてじゃんけんを繰り返すが、じゃんけんの回数は最大で$n$回とする。このとき、Aが1人で勝ち残る確率を求めよ。

確率論・統計学確率期待値じゃんけん確率分布
2025/8/3

1. 問題の内容

(1) AとBの2人がじゃんけんをする。あいこの場合は繰り返すが、じゃんけんの回数は最大でnn回とする。このとき、Aが勝つ確率を求めよ。
(2) A, B, Cの3人がじゃんけんをする。1回目は3人で始め、負けた者は抜けることとしてじゃんけんを繰り返すが、じゃんけんの回数は最大でnn回とする。このとき、Aが1人で勝ち残る確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
AとBが1回のじゃんけんでAが勝つ確率は13\frac{1}{3}、Bが勝つ確率は13\frac{1}{3}、あいこになる確率は13\frac{1}{3}である。
Aがkk回目(1kn1 \le k \le n)に勝つ確率は、それまでk1k-1回あいこが続き、kk回目にAが勝つ確率である。これは(13)k1×13=(13)k(\frac{1}{3})^{k-1} \times \frac{1}{3} = (\frac{1}{3})^kである。
したがって、Aがnn回以内のじゃんけんで勝つ確率は、
k=1n(13)k=13(1(13)n)113=13(1(13)n)23=12(1(13)n)\sum_{k=1}^{n} (\frac{1}{3})^k = \frac{\frac{1}{3}(1-(\frac{1}{3})^n)}{1-\frac{1}{3}} = \frac{\frac{1}{3}(1-(\frac{1}{3})^n)}{\frac{2}{3}} = \frac{1}{2}(1-(\frac{1}{3})^n)
(2)
Aが1回目に勝つ確率は、Aが勝ち、BとCが負けるか、あいこになるかのいずれかである。Aが1回目に勝つ確率は13×13=19\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{9}である。Aが1回目にあいこになる確率は13\frac{1}{3}である。BとCが1回目にあいこになる確率は13\frac{1}{3}である。Aが2回目に勝つ確率は、1回目にあいこになり、2回目にAが勝つ確率である。
3人がじゃんけんをするとき、あいこになる確率は13\frac{1}{3}である。
Aが勝ち残る確率は、まずAが1回目に負けない確率を考える。Aが負ける確率は23×13=29\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{9}である。
1回のじゃんけんで、Aが勝ち残る確率は129=791 - \frac{2}{9} = \frac{7}{9}である。
Aが1回で勝ち残る確率は、AAが勝ち、BBCCが負ける場合なので、1/31/3=1/91/3 * 1/3 = 1/9
あいこになる確率は、1/31/3
したがって、Aがkk回目に勝ち残る確率は、それまでk1k-1回あいこが続き、kk回目にAが勝つ確率である。
k=1k=1のとき、Aが1回で勝ち残る確率は19\frac{1}{9}である。
nn回以内にAが勝ち残る確率は、k=1n(13)k119=19k=0n1(13)k=191(13)n113=191(13)n23=19×32(1(13)n)=16(1(13)n)\sum_{k=1}^{n} (\frac{1}{3})^{k-1} \frac{1}{9} = \frac{1}{9} \sum_{k=0}^{n-1} (\frac{1}{3})^k = \frac{1}{9} \frac{1 - (\frac{1}{3})^n}{1 - \frac{1}{3}} = \frac{1}{9} \frac{1 - (\frac{1}{3})^n}{\frac{2}{3}} = \frac{1}{9} \times \frac{3}{2} (1 - (\frac{1}{3})^n) = \frac{1}{6} (1 - (\frac{1}{3})^n)

3. 最終的な答え

(1) 12(1(13)n)\frac{1}{2}(1-(\frac{1}{3})^n)
(2) 16(1(13)n)\frac{1}{6}(1-(\frac{1}{3})^n)

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