半径 $a$ の円に内接する二等辺三角形があり、その高さを $x$ とする。 (1) 二等辺三角形の面積 $S$ を $x$ の式で表し、また、$x$ の変域を求める。 (2) $S$ が最大になるときの $x$ の値を求める。

1. 問題の内容

半径 $a$ の円に内接する二等辺三角形があり、その高さを $x$ とする。

(1) 二等辺三角形の面積 $S$ を $x$ の式で表し、また、$x$ の変域を求める。

(2) $S$ が最大になるときの $x$ の値を求める。

2. 解き方の手順

(1)

二等辺三角形の底辺の半分を $b$ とおく。円の中心から底辺に垂線を下ろすと、その長さは $x - a$ となる。

三平方の定理より、

$a^2 = (x-a)^2 + b^2$

$b^2 = a^2 - (x^2 - 2ax + a^2) = 2ax - x^2$

$b = \sqrt{2ax - x^2}$

したがって、底辺の長さは $2b = 2\sqrt{2ax - x^2}$ となる。

面積 $S$ は、

$S = \frac{1}{2} \cdot x \cdot 2\sqrt{2ax - x^2} = x\sqrt{2ax - x^2}$

$S = x\sqrt{x(2a - x)}$

$x$ の変域を考える。高さ $x$ は、最小値として $0$ より大きく、最大値として $2a$ より小さい。したがって、$0 < x \leq 2a$。ただし、$x=0$の時、面積$S=0$となるので、$x>0$と考える必要がある。

(2)

$S^2 = x^2(2ax - x^2) = 2ax^3 - x^4$

$f(x) = 2ax^3 - x^4$ とおく。$f(x)$ を $x$ で微分すると、

$f'(x) = 6ax^2 - 4x^3 = 2x^2(3a - 2x)$

$f'(x) = 0$ となるのは $x=0, \frac{3a}{2}$。

$0 < x \le 2a$ の範囲で考えると、$x = \frac{3a}{2}$ の前後で $f'(x)$ の符号が変わることを確認する。

$0 < x < \frac{3a}{2}$ のとき、$f'(x) > 0$。

$\frac{3a}{2} < x \le 2a$ のとき、$f'(x) < 0$。

したがって、$x = \frac{3a}{2}$ で $f(x)$ は最大となり、$S$ も最大となる。

3. 最終的な答え

(1) $S = x\sqrt{2ax - x^2}$, $0 < x \leq 2a$

(2) $x = \frac{3a}{2}$