問題は2つあります。 (1) 行列 $A$ の行列式を、$A$ の成分と余因子を用いて展開する式を書く。 (2) $4$ 次正方行列 $A, B$ に対して、$BA$ が正則ならば、$A, B$ はどちらも正則であることを示す。

代数学行列行列式余因子正則行列行列の積
2025/8/3

1. 問題の内容

問題は2つあります。
(1) 行列 AA の行列式を、AA の成分と余因子を用いて展開する式を書く。
(2) 44 次正方行列 A,BA, B に対して、BABA が正則ならば、A,BA, B はどちらも正則であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) 行列 AA の行列式は、ある行または列を選び、その行(または列)の各成分と、その成分に対応する余因子の積の和として計算できます。
AAn×nn \times n 行列とし、aija_{ij}AAiijj 列の成分とします。CijC_{ij}aija_{ij} の余因子とします。
行列式 det(A)\det(A) は、第 ii 行に関して展開すると次のようになります。
det(A)=j=1naijCij\det(A) = \sum_{j=1}^{n} a_{ij} C_{ij}
また、行列式 det(A)\det(A) は、第 jj 列に関して展開すると次のようになります。
det(A)=i=1naijCij\det(A) = \sum_{i=1}^{n} a_{ij} C_{ij}
(2) BABA が正則であると仮定します。つまり、BABA は逆行列を持ちます。
したがって、det(BA)0\det(BA) \neq 0 が成り立ちます。行列式の性質より、det(BA)=det(B)det(A)\det(BA) = \det(B) \det(A) です。
したがって、det(B)det(A)0\det(B) \det(A) \neq 0 が成り立ちます。
det(B)det(A)0\det(B) \det(A) \neq 0 であるためには、det(B)0\det(B) \neq 0 かつ det(A)0\det(A) \neq 0 でなければなりません。
det(A)0\det(A) \neq 0 であることは、AA が正則であることと同値です。
同様に、det(B)0\det(B) \neq 0 であることは、BB が正則であることと同値です。
したがって、BABA が正則ならば、AABB はどちらも正則です。

3. 最終的な答え

(1) 行列 AA の行列式を展開する式は次の通りです。
det(A)=j=1naijCij\det(A) = \sum_{j=1}^{n} a_{ij} C_{ij} (第 ii 行に関して展開)
det(A)=i=1naijCij\det(A) = \sum_{i=1}^{n} a_{ij} C_{ij} (第 jj 列に関して展開)
(2) 44 次正方行列 A,BA, B に対して、BABA が正則ならば、A,BA, B はどちらも正則である。 (証明完了)

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