関数 $f(x) = \int_{1}^{x} |t(t-2)| dt$ が与えられている。このとき、$f(3)$ の値を求め、$\lim_{x \to 1} \frac{1}{x^2-1} f(x)$ の値を求めよ。

解析学積分絶対値極限ロピタルの定理
2025/8/3

1. 問題の内容

関数 f(x)=1xt(t2)dtf(x) = \int_{1}^{x} |t(t-2)| dt が与えられている。このとき、f(3)f(3) の値を求め、limx11x21f(x)\lim_{x \to 1} \frac{1}{x^2-1} f(x) の値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、f(3)f(3) を計算する。
f(3)=13t(t2)dtf(3) = \int_{1}^{3} |t(t-2)| dt
積分範囲を 1t31 \leq t \leq 3 で考える。t(t2)t(t-2) の符号は tt の範囲によって変わる。
1t21 \leq t \leq 2 のとき、t20t-2 \leq 0 なので t(t2)=t(t2)=t2+2t|t(t-2)| = -t(t-2) = -t^2 + 2t
2t32 \leq t \leq 3 のとき、t20t-2 \geq 0 なので t(t2)=t(t2)=t22t|t(t-2)| = t(t-2) = t^2 - 2t
したがって、積分を分割して計算する。
f(3)=12(t2+2t)dt+23(t22t)dtf(3) = \int_{1}^{2} (-t^2 + 2t) dt + \int_{2}^{3} (t^2 - 2t) dt
12(t2+2t)dt=[13t3+t2]12=(83+4)(13+1)=83+4+131=373=23\int_{1}^{2} (-t^2 + 2t) dt = [-\frac{1}{3}t^3 + t^2]_{1}^{2} = (-\frac{8}{3} + 4) - (-\frac{1}{3} + 1) = -\frac{8}{3} + 4 + \frac{1}{3} - 1 = 3 - \frac{7}{3} = \frac{2}{3}
23(t22t)dt=[13t3t2]23=(2739)(834)=(99)(834)=083+4=483=43\int_{2}^{3} (t^2 - 2t) dt = [\frac{1}{3}t^3 - t^2]_{2}^{3} = (\frac{27}{3} - 9) - (\frac{8}{3} - 4) = (9 - 9) - (\frac{8}{3} - 4) = 0 - \frac{8}{3} + 4 = 4 - \frac{8}{3} = \frac{4}{3}
f(3)=23+43=63=2f(3) = \frac{2}{3} + \frac{4}{3} = \frac{6}{3} = 2
次に、limx11x21f(x)\lim_{x \to 1} \frac{1}{x^2-1} f(x) を計算する。
limx11x21f(x)=limx1f(x)x21=limx1f(x)(x1)(x+1)\lim_{x \to 1} \frac{1}{x^2-1} f(x) = \lim_{x \to 1} \frac{f(x)}{x^2-1} = \lim_{x \to 1} \frac{f(x)}{(x-1)(x+1)}
ここで、f(x)=1xt(t2)dtf(x) = \int_{1}^{x} |t(t-2)| dt であり、f(1)=0f(1) = 0 なので、ロピタルの定理を使うことができる。
limx1f(x)(x1)(x+1)=limx1f(x)2x\lim_{x \to 1} \frac{f(x)}{(x-1)(x+1)} = \lim_{x \to 1} \frac{f'(x)}{2x}
f(x)=x(x2)f'(x) = |x(x-2)| なので、
limx1x(x2)2x=1(12)21=12=12\lim_{x \to 1} \frac{|x(x-2)|}{2x} = \frac{|1(1-2)|}{2 \cdot 1} = \frac{|-1|}{2} = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

f(3)=2f(3) = 2
limx11x21f(x)=12\lim_{x \to 1} \frac{1}{x^2-1} f(x) = \frac{1}{2}

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