$\mathbb{R}^2$ において $2x + y = -3$ を満たす点 $\mathbf{x} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$ の作る図形を $L$ とする。$\mathbf{n} = \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}$ とし、$\mathbf{n}'$ を $\mathbf{n}$ 方向の単位ベクトルとする。 (1) 内積 $\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle$ を使って点 $\mathbf{x}$ の満たす式 $\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle = c$ を求めたい。$\mathbf{n}'$ と $c$ を求めなさい。 (2) (1) の式を使って、$L$ がどのような図形で $\mathbf{n}'$ 軸に対してどのような位置関係にあるかを作図し、「正射影」という言葉を用いて作図の理由を簡潔に説明しなさい。 (3) (2) を用いて $L$ の原点からの距離 $R$ を求め、$L$ が $\mathbf{n}'$ と同じ方向に $R$ の位置にあるのか、反対の方向に $R$ の位置にあるのか、答えなさい。

1. 問題の内容

$\mathbb{R}^2$ において $2x + y = -3$ を満たす点 $\mathbf{x} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$ の作る図形を $L$ とする。$\mathbf{n} = \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}$ とし、$\mathbf{n}'$ を $\mathbf{n}$ 方向の単位ベクトルとする。

(1) 内積 $\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle$ を使って点 $\mathbf{x}$ の満たす式 $\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle = c$ を求めたい。$\mathbf{n}'$ と $c$ を求めなさい。

(2) (1) の式を使って、$L$ がどのような図形で $\mathbf{n}'$ 軸に対してどのような位置関係にあるかを作図し、「正射影」という言葉を用いて作図の理由を簡潔に説明しなさい。

(3) (2) を用いて $L$ の原点からの距離 $R$ を求め、$L$ が $\mathbf{n}'$ と同じ方向に $R$ の位置にあるのか、反対の方向に $R$ の位置にあるのか、答えなさい。

2. 解き方の手順

(1) まず、$\mathbf{n}'$ を求める。$\mathbf{n} = \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}$ の大きさは $|\mathbf{n}| = \sqrt{2^2 + 1^2} = \sqrt{5}$ であるから、$\mathbf{n}' = \frac{1}{\sqrt{5}} \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2/\sqrt{5} \\ 1/\sqrt{5} \end{pmatrix}$ となる。

次に、$\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle$ を計算する。

$\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \cdot \begin{pmatrix} 2/\sqrt{5} \\ 1/\sqrt{5} \end{pmatrix} = \frac{2x + y}{\sqrt{5}}$

問題文より、$2x + y = -3$ なので、$\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle = \frac{-3}{\sqrt{5}}$ となる。

したがって、$c = -\frac{3}{\sqrt{5}}$ である。

(2) $\langle \mathbf{x}, \mathbf{n}' \rangle = c$ より、$\frac{2x+y}{\sqrt{5}} = -\frac{3}{\sqrt{5}}$ であるから、$2x + y = -3$ となる。これは直線を表す。$\mathbf{n}'$ は直線の法線ベクトルであり、$\mathbf{n}'$ 軸への正射影が一定値 $c = -\frac{3}{\sqrt{5}}$ をとる点の集合である。直線 $L$ は $\mathbf{n}'$ 軸に垂直な方向に伸びており、原点から $L$ までの距離は $|c| = \frac{3}{\sqrt{5}}$ である。

(3) $L$ の原点からの距離 $R$ は $|c| = \frac{3}{\sqrt{5}}$ である。$c = -\frac{3}{\sqrt{5}} < 0$ であるため、$L$ は $\mathbf{n}'$ と反対の方向に $R = \frac{3}{\sqrt{5}}$ の位置にある。

3. 最終的な答え

(1) $\mathbf{n}' = \begin{pmatrix} 2/\sqrt{5} \\ 1/\sqrt{5} \end{pmatrix}$, $c = -\frac{3}{\sqrt{5}}$

(2) $L$ は直線であり、$\mathbf{n}'$ 軸への正射影が一定値 $c = -\frac{3}{\sqrt{5}}$ をとる点の集合である。

(3) $R = \frac{3}{\sqrt{5}}$, $L$ は $\mathbf{n}'$ と反対の方向に $R$ の位置にある。