$\sin^{-1}(\sin x)$ の導関数を求める問題です。ただし、$\sin^{-1}x$ は $\sin x$ の逆関数ですが、すべての $x$ に対して $\sin^{-1}(\sin x) = x$ が成り立つわけではありません。$\sin x$ の逆関数は $-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2}$ の範囲で定義されています。
2025/8/4
1. 問題の内容
の導関数を求める問題です。ただし、 は の逆関数ですが、すべての に対して が成り立つわけではありません。 の逆関数は の範囲で定義されています。
2. 解き方の手順
の導関数を求めるために、場合分けをします。
(i) のとき:
この範囲では、 が成り立ちます。したがって、
(ii) のとき:
この範囲では、 が成り立ち、かつ となります。
したがって、 となります。
(iii) 一般的な場合:
が一般的な値である場合は、 の周期性 () を利用して適切な範囲に変換します。例えば、 を足したり引いたりして を の範囲に収めてから、上記の議論を用います。のグラフを描くと理解しやすいです。
を利用して直接微分することも可能です。この場合なので、となり、
であれば1、であれば-1となる。
まとめると、
$\frac{d}{dx} \sin^{-1}(\sin x) =
\begin{cases}
1 & (-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2}) \\
-1 & (\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{3\pi}{2})
\end{cases}$
より一般的には,となります.
3. 最終的な答え
もしくは場合分けして記述すると
$\frac{d}{dx} \sin^{-1}(\sin x) =
\begin{cases}
1 & (\cos x > 0) \\
-1 & (\cos x < 0)
\end{cases}$