関数 $y = \sin^2 x \cos x + \sin x \cos^2 x + \sin x \cos x$ について、 $t = \sin x + \cos x$ とおく。このとき、$y$を$t$の式で表し、$0 \leq x \leq \pi$ の条件下で、$t$の取りうる値の範囲を求め、さらに $y$ の最小値を求める。

1. 問題の内容

関数 $y = \sin^2 x \cos x + \sin x \cos^2 x + \sin x \cos x$ について、 $t = \sin x + \cos x$ とおく。このとき、$y$を$t$の式で表し、$0 \leq x \leq \pi$ の条件下で、$t$の取りうる値の範囲を求め、さらに $y$ の最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) $t$ の取りうる値の範囲を求める。

$t = \sin x + \cos x = \sqrt{2} \sin(x + \frac{\pi}{4})$ と変形できる。

$0 \leq x \leq \pi$ より、 $\frac{\pi}{4} \leq x + \frac{\pi}{4} \leq \frac{5\pi}{4}$ である。

したがって、$-\frac{1}{\sqrt{2}} \leq \sin(x + \frac{\pi}{4}) \leq 1$ となる。

よって、$t$ の取りうる値の範囲は $-\frac{1}{\sqrt{2}} \cdot \sqrt{2} \leq \sqrt{2} \sin(x + \frac{\pi}{4}) \leq 1 \cdot \sqrt{2}$ より、 $-1 \leq t \leq \sqrt{2}$。

(2) $y$ を $t$ の式で表し、$y$ の最小値を求める。

$y = \sin^2 x \cos x + \sin x \cos^2 x + \sin x \cos x = \sin x \cos x (\sin x + \cos x + 1) = \sin x \cos x (t + 1)$.

$t = \sin x + \cos x$ の両辺を2乗すると、

$t^2 = (\sin x + \cos x)^2 = \sin^2 x + 2\sin x \cos x + \cos^2 x = 1 + 2\sin x \cos x$.

よって、$\sin x \cos x = \frac{t^2 - 1}{2}$.

したがって、$y = \frac{t^2 - 1}{2} (t + 1) = \frac{1}{2} (t^3 + t^2 - t - 1)$.

$y = \frac{1}{2} (t^3 + t^2 - t - 1)$ を $t$ で微分すると、

$\frac{dy}{dt} = \frac{1}{2} (3t^2 + 2t - 1) = \frac{1}{2} (3t - 1) (t + 1)$.

$\frac{dy}{dt} = 0$ となるのは、$t = \frac{1}{3}$ または $t = -1$ のとき。

$-1 \leq t \leq \sqrt{2}$ における $y$ の増減表は以下のようになる。

| t | -1 | ... | 1/3 | ... | sqrt(2) |

| :--- | :---- | :--- | :--- | :----- | :------ |

| dy/dt | 0 | - | 0 | + | |

| y | 0 | ↓ | 極小 | ↑ | |

$t = -1$ のとき、$y = 0$.

$t = \frac{1}{3}$ のとき、$y = \frac{1}{2} (\frac{1}{27} + \frac{1}{9} - \frac{1}{3} - 1) = \frac{1}{2} (\frac{1 + 3 - 9 - 27}{27}) = \frac{1}{2} (\frac{-32}{27}) = -\frac{16}{27}$.

$t = \sqrt{2}$ のとき、$y = \frac{1}{2} (2\sqrt{2} + 2 - \sqrt{2} - 1) = \frac{1}{2} (\sqrt{2} + 1)$.

したがって、$y$ の最小値は $-\frac{16}{27}$.

3. 最終的な答え

(1) $t$ のとり得る値の範囲：$-1 \leq t \leq \sqrt{2}$

(2) $y$ の最小値：$-\frac{16}{27}$