$\mathbb{R}^2$ において、直線 $L: 2x + y = -3$ が与えられている。ベクトル $\vec{n} = \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}$ に対して、$\vec{n}$ 方向の単位ベクトルを $\vec{n'}$ とする。 (1) 内積 $\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle$ を用いて、直線 $L$ 上の点 $\vec{x}$ が満たす式 $\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle = c$ を求め、$\vec{n'}$ と $c$ の値を求める。 (2) (1) の式を用いて、直線 $L$ が $\vec{n'}$ 軸に対してどのような位置関係にあるかを作図し、「正射影」という言葉を用いて作図の理由を説明する。 (3) (2) を用いて、直線 $L$ の原点からの距離 $R$ を求め、$L$ が $\vec{n'}$ と同じ方向に $R$ の位置にあるのか、反対の方向に $R$ の位置にあるのか答える。

幾何学ベクトル線形代数内積正射影線形独立線形従属線形結合行列式
2025/8/4
## 問題3

1. 問題の内容

R2\mathbb{R}^2 において、直線 L:2x+y=3L: 2x + y = -3 が与えられている。ベクトル n=(21)\vec{n} = \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix} に対して、n\vec{n} 方向の単位ベクトルを n\vec{n'} とする。
(1) 内積 x,n\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle を用いて、直線 LL 上の点 x\vec{x} が満たす式 x,n=c\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle = c を求め、n\vec{n'}cc の値を求める。
(2) (1) の式を用いて、直線 LLn\vec{n'} 軸に対してどのような位置関係にあるかを作図し、「正射影」という言葉を用いて作図の理由を説明する。
(3) (2) を用いて、直線 LL の原点からの距離 RR を求め、LLn\vec{n'} と同じ方向に RR の位置にあるのか、反対の方向に RR の位置にあるのか答える。

2. 解き方の手順

(1)
まず、n\vec{n} の大きさを求める。
n=22+12=5|\vec{n}| = \sqrt{2^2 + 1^2} = \sqrt{5}
したがって、n\vec{n'}n\vec{n} をその大きさで割ったものとなる。
n=nn=15(21)=(2/51/5)\vec{n'} = \frac{\vec{n}}{|\vec{n}|} = \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2/\sqrt{5} \\ 1/\sqrt{5} \end{pmatrix}
次に、直線 L:2x+y=3L: 2x + y = -3 上の点 x=(xy)\vec{x} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} に対して、
x,n=(xy)(2/51/5)=2x5+y5=2x+y5\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \cdot \begin{pmatrix} 2/\sqrt{5} \\ 1/\sqrt{5} \end{pmatrix} = \frac{2x}{\sqrt{5}} + \frac{y}{\sqrt{5}} = \frac{2x + y}{\sqrt{5}}
直線 LL 上の点は 2x+y=32x + y = -3 を満たすので、
x,n=35\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle = \frac{-3}{\sqrt{5}}
したがって、c=35c = -\frac{3}{\sqrt{5}} となる。
(2)
x,n=c\langle \vec{x}, \vec{n'} \rangle = c は、x\vec{x}n\vec{n'} 方向への正射影の長さが cc であることを意味する。c=35c = -\frac{3}{\sqrt{5}} であるから、直線 LL は原点から n\vec{n'} 方向に 35-\frac{3}{\sqrt{5}} だけ離れた位置にある。
作図としては、n\vec{n'} を描き、原点から n\vec{n'} 方向に35-\frac{3}{\sqrt{5}} だけ進んだ点を通り、n\vec{n'} に垂直な直線を LL として描く。
(3)
直線 LL の原点からの距離 RR は、c|c| に等しい。
R=c=35=35R = |c| = \left|-\frac{3}{\sqrt{5}}\right| = \frac{3}{\sqrt{5}}
直線 LL は、n\vec{n'} と反対方向に 35\frac{3}{\sqrt{5}} の距離だけ離れた位置にある。

3. 最終的な答え

(1) n=(2/51/5)\vec{n'} = \begin{pmatrix} 2/\sqrt{5} \\ 1/\sqrt{5} \end{pmatrix}, c=35c = -\frac{3}{\sqrt{5}}
(2) 省略 (上記の説明を参照)
(3) R=35R = \frac{3}{\sqrt{5}}, 反対方向
## 問題4

1. 問題の内容

3つのベクトル a=(101)\vec{a} = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}, b=(111)\vec{b} = \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{pmatrix}, c=(131)\vec{c} = \begin{pmatrix} 1 \\ 3 \\ 1 \end{pmatrix} が与えられている。
(1) a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} は線形独立か答え、その理由を述べる。
(2) a\vec{a} の張る空間 L(a)L(\vec{a}) が選択肢のどれになるか選ぶ。
(3) a,b\vec{a}, \vec{b} の張る空間 L(a,b)L(\vec{a}, \vec{b}) が選択肢のどれになるか選ぶ。
(4) a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} の張る空間 L(a,b,c)L(\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}) が選択肢のどれになるか選ぶ。
選択肢: A: 点a\vec{a}, B: 2点a,b\vec{a}, \vec{b}, C: 原点を通る直線, D: 3点a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} を結ぶ三角形とその内部, E: 原点を通る平面, F: R3\mathbb{R}^3, G: R4\mathbb{R}^4, H: 定義されない

2. 解き方の手順

(1)
a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} が線形独立かどうかを調べるために、行列式を計算する。
\begin{vmatrix}
1 & 1 & 1 \\
0 & 1 & 3 \\
1 & 1 & 1
\end{vmatrix}
= 1 \begin{vmatrix} 1 & 3 \\ 1 & 1 \end{vmatrix} - 1 \begin{vmatrix} 0 & 3 \\ 1 & 1 \end{vmatrix} + 1 \begin{vmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 1 \end{vmatrix} = (1 - 3) - (0 - 3) + (0 - 1) = -2 + 3 - 1 = 0
行列式が 0 なので、a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} は線形従属である。
(2)
a\vec{a} の張る空間 L(a)L(\vec{a}) は、a\vec{a} のスカラー倍全体である。これは原点を通る直線を表す。選択肢C。
(3)
a,b\vec{a}, \vec{b} の張る空間 L(a,b)L(\vec{a}, \vec{b}) は、a\vec{a}b\vec{b} の線形結合全体である。a\vec{a}b\vec{b} は線形独立なので、これは原点を通る平面を表す。選択肢E。
(4)
a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} の張る空間 L(a,b,c)L(\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}) は、a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} の線形結合全体である。a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} は線形従属であるため、3つのベクトルで張られる空間はR3\mathbb{R}^3 全体にはならない。a,b\vec{a}, \vec{b}は線形独立なので、すでに平面を張っている。
c\vec{c}がその平面に含まれるかどうかを確かめる。
c=k1a+k2b\vec{c} = k_1\vec{a} + k_2\vec{b} が成立するかどうかを調べる。
(131)=k1(101)+k2(111)\begin{pmatrix} 1 \\ 3 \\ 1 \end{pmatrix} = k_1 \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix} + k_2 \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 1 \end{pmatrix}
1=k1+k21 = k_1 + k_2
3=k23 = k_2
1=k1+k21 = k_1 + k_2
よって、k1=2,k2=3k_1 = -2, k_2 = 3 となり、c=2a+3b\vec{c} = -2\vec{a} + 3\vec{b} が成立する。
したがって、a,b,c\vec{a}, \vec{b}, \vec{c} の張る空間は、a\vec{a}b\vec{b}が張る平面と一致する。
よって、これは原点を通る平面を表す。選択肢E

3. 最終的な答え

(1) 線形従属、理由: 行列式が 0 であるため。
(2) C
(3) E
(4) E

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