(1) $n$ を2以上の整数とするとき、$x^n$ を $(x-1)^2$ で割った余りを求めよ。 (2) $n$ を3以上の整数とするとき、$x^n$ を $x^3 - 1$ で割った余りを求めよ。

1. 問題の内容

(1) $n$ を2以上の整数とするとき、$x^n$ を $(x-1)^2$ で割った余りを求めよ。

(2) $n$ を3以上の整数とするとき、$x^n$ を $x^3 - 1$ で割った余りを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $x^n$ を $(x-1)^2$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $ax + b$ （$a, b$ は定数）とすると、

$x^n = (x-1)^2 Q(x) + ax + b$

この式に $x = 1$ を代入すると、

$1^n = a(1) + b$

$1 = a + b$

したがって、$b = 1 - a$

よって、$x^n = (x-1)^2 Q(x) + ax + 1 - a$

$x^n - 1 = (x-1)^2 Q(x) + a(x - 1)$

ここで、$x^n - 1 = (x-1)(x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1)$ であるから、

$(x-1)(x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1) = (x-1)^2 Q(x) + a(x - 1)$

両辺を $x-1$ で割ると、

$x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1 = (x-1) Q(x) + a$

この式に $x = 1$ を代入すると、

$\underbrace{1 + 1 + \cdots + 1}_{n個} = a$

$a = n$

したがって、$b = 1 - a = 1 - n$

求める余りは $ax + b = nx + 1 - n$

(2) $x^n$ を $x^3 - 1$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $ax^2 + bx + c$ （$a, b, c$ は定数）とすると、

$x^n = (x^3 - 1) Q(x) + ax^2 + bx + c$

$x^3 - 1 = (x-1)(x^2 + x + 1)$ であるから、$x^n = (x-1)(x^2 + x + 1) Q(x) + ax^2 + bx + c$

$n = 3k, 3k+1, 3k+2$ の場合に分けて考える。

i) $n = 3k$ のとき、$x^{3k} = (x^3 - 1) Q(x) + ax^2 + bx + c$

$x^{3k} = (x^3)^k$ であり、$x^3 \equiv 1 \pmod{x^3 - 1}$ なので、$x^{3k} \equiv 1^k \equiv 1 \pmod{x^3 - 1}$

よって、$ax^2 + bx + c = 1$ より、$a = 0, b = 0, c = 1$

余りは1

ii) $n = 3k+1$ のとき、$x^{3k+1} = x^{3k} x = (x^3 - 1) Q(x) + ax^2 + bx + c$

$x^{3k+1} \equiv 1^k x \equiv x \pmod{x^3 - 1}$

よって、$ax^2 + bx + c = x$ より、$a = 0, b = 1, c = 0$

余りはx

iii) $n = 3k+2$ のとき、$x^{3k+2} = x^{3k} x^2 = (x^3 - 1) Q(x) + ax^2 + bx + c$

$x^{3k+2} \equiv 1^k x^2 \equiv x^2 \pmod{x^3 - 1}$

よって、$ax^2 + bx + c = x^2$ より、$a = 1, b = 0, c = 0$

余りは $x^2$

3. 最終的な答え

(1) $nx + 1 - n$

(2) $n = 3k$ のとき 1, $n = 3k+1$ のとき $x$, $n = 3k+2$ のとき $x^2$