5桁の整数 $N=a \times 10^4 + b \times 10^3 + c \times 10^2 + d \times 10 + e$ について、以下の条件を満たす整数の組 $(a, b, c, d, e)$ はそれぞれ何通りあるか求める問題です。ただし、$a, b, c, d, e$ は0以上9以下の整数であり、$a \neq 0$とします。 (1) $a > b > c > d > e$ (2) $a \geq b \geq c \geq d \geq e$ (3) $a < b < c$ かつ $c > d > e$

1. 問題の内容

5桁の整数 $N=a \times 10^4 + b \times 10^3 + c \times 10^2 + d \times 10 + e$ について、以下の条件を満たす整数の組 $(a, b, c, d, e)$ はそれぞれ何通りあるか求める問題です。ただし、$a, b, c, d, e$ は0以上9以下の整数であり、$a \neq 0$とします。

(1) $a > b > c > d > e$

(2) $a \geq b \geq c \geq d \geq e$

(3) $a < b < c$ かつ $c > d > e$

2. 解き方の手順

(1) $a > b > c > d > e$ の場合

$a, b, c, d, e$ は全て異なる数です。$a$ は0でないので、1から9までの数字から5個選んで大きい順に並べれば条件を満たします。ただし、0を含んでいないので、選んだ5個の数字のうち最も大きいものが $a$ になります。

0を含めた場合は、0から9までの10個の数字から5個選ぶ組み合わせは ${10 \choose 5}$ 通りです。しかし、この中には、$a=0$ となる組み合わせも含まれます。$a=0$ となるのは、0を選んだ場合なので、残りの9個から4個選ぶ組み合わせ ${9 \choose 4}$ 通りです。したがって、$a > 0$ となる組み合わせは、${10 \choose 5} - {9 \choose 4}$ となります。

${10 \choose 5} = \frac{10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 7 \cdot 6}{5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} = 2 \cdot 9 \cdot 2 \cdot 7 = 252$

${9 \choose 4} = \frac{9 \cdot 8 \cdot 7 \cdot 6}{4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} = 9 \cdot 2 \cdot 7 = 126$

よって、${10 \choose 5} - {9 \choose 4} = 252 - 126 = 126$通りとなります。

(2) $a \geq b \geq c \geq d \geq e$ の場合

これは、1から9までの数字から重複を許して5個選ぶ組み合わせの問題に似ています。ただし、$a$ は0でないので、少し工夫が必要です。

$a' = a - 1$ と置くと、$a' \geq 0$ となります。$a' = a-1, b, c, d, e$ は全て0以上の整数で、$a'+1 \geq b \geq c \geq d \geq e \geq 0$ を満たします。

ここで、$x_1 = a' + 1 - b, x_2 = b - c, x_3 = c - d, x_4 = d - e, x_5 = e$ と置くと、$x_i \geq 0$ です。

$x_1 + x_2 + x_3 + x_4 + x_5 = a' + 1$

$x_1 + x_2 + x_3 + x_4 + x_5 = a$ (ただし、$1 \leq a \leq 9$)

さらに、

$x_1 + x_2 + x_3 + x_4 + x_5 + a = 10$ となる0以上の整数解の組み合わせを考えます。これは10個の〇と5本の仕切りの並べ方と考えることができます。〇の個数は10個、仕切りの本数は5本なので、全部で15個の場所から仕切りの場所5個を選べばよいので、${15 \choose 5}$となります。

${15 \choose 5} = \frac{15 \cdot 14 \cdot 13 \cdot 12 \cdot 11}{5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} = 3 \cdot 7 \cdot 13 \cdot 3 \cdot 11 = 3003$通り

(3) $a < b < c$ かつ $c > d > e$ の場合

$a < b < c$ なので、$a, b, c$ は全て異なり、$a, b$ は $c$ より小さい数です。

まず、$c$ を固定して考えます。$c = 2$ のとき、$a = 1, b = 1$ となりますが、$a < b$ なのでこれは不可能です。

$c = k$ のとき、$1 \leq a < b < k$ なので、$a, b$ の選び方は ${k-1 \choose 2}$ 通りです。$k$ は 2 から 9 までの値を取りえます。

$c > d > e$ なので、$d, e$ は全て異なり、$d, e$ は $c$ より小さい数です。$d, e$ の選び方は ${k \choose 2}$ 通りです。$k$ は 2 から 9 までの値を取りえます。

したがって、組み合わせの総数は

$\sum_{k=2}^{9} {k-1 \choose 2} {k \choose 2} = \sum_{k=2}^{9} \frac{(k-1)(k-2)}{2} \frac{k(k-1)}{2} = \frac{1}{4} \sum_{k=2}^{9} k(k-1)^2(k-2)$

$=\frac{1}{4} \sum_{k=2}^{9} k(k-1)(k^2 - 3k + 2) = \frac{1}{4} \sum_{k=2}^{9} (k^4 - 4k^3 + 5k^2 - 2k)$

$=\frac{1}{4} (\sum_{k=2}^{9} k^4 - 4\sum_{k=2}^{9} k^3 + 5\sum_{k=2}^{9} k^2 - 2\sum_{k=2}^{9} k)$

$\sum_{k=1}^{n} k = \frac{n(n+1)}{2}, \sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}, \sum_{k=1}^{n} k^3 = (\frac{n(n+1)}{2})^2, \sum_{k=1}^{n} k^4 = \frac{n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)}{30}$

$\sum_{k=2}^{9} k = \frac{9(10)}{2} - 1 = 45 - 1 = 44$

$\sum_{k=2}^{9} k^2 = \frac{9(10)(19)}{6} - 1 = 3 \cdot 5 \cdot 19 - 1 = 285 - 1 = 284$

$\sum_{k=2}^{9} k^3 = (\frac{9(10)}{2})^2 - 1 = (45)^2 - 1 = 2025 - 1 = 2024$

$\sum_{k=2}^{9} k^4 = \frac{9(10)(19)(3(9^2)+3(9)-1)}{30} - 1 = \frac{9 \cdot 10 \cdot 19 (243 + 27 - 1)}{30} - 1 = 3 \cdot 19 \cdot 269 - 1 = 15333 - 1 = 15332$

$\frac{1}{4} (15332 - 4(2024) + 5(284) - 2(44)) = \frac{1}{4} (15332 - 8096 + 1420 - 88) = \frac{1}{4} (8568) = 2142$

3. 最終的な答え

(1) 126通り

(2) 3003通り

(3) 2142通り