* (1) ベクトル場 $\vec{A}$ の様子を図示して説明します。 * (2) 原点を中心とする半径 $a$ の球面上で、面積要素 $d\vec{S}$ と $\vec{A}$ の内積 $\vec{A} \cdot d\vec{S}$ を求めます。 * (3) 半径 $a$ の球面 $S$ 上で、積分 $\int_S \vec{A} \cdot d\vec{S}$ を求めます。

応用数学ベクトル解析ガウスの法則電磁気学発散定理体積積分面積積分
2025/8/6
はい、承知しました。問題文を理解し、丁寧に解答を作成します。
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1. 問題の内容**

与えられたベクトル場、位置ベクトル、および電束密度に関する問題です。

1. ベクトル場 $\vec{A} = k \frac{\vec{r}}{r^3}$ (kは定数) について:

* (1) ベクトル場 A\vec{A} の様子を図示して説明します。
* (2) 原点を中心とする半径 aa の球面上で、面積要素 dSd\vec{S}A\vec{A} の内積 AdS\vec{A} \cdot d\vec{S} を求めます。
* (3) 半径 aa の球面 SS 上で、積分 SAdS\int_S \vec{A} \cdot d\vec{S} を求めます。

2. 位置ベクトル $\vec{r} = (x, y, z)$, $r = |\vec{r}|$ について:

* (1) 閉曲面 SS で囲まれた領域の体積を VV とするとき、SrdS\int_S \vec{r} \cdot d\vec{S} を計算します。
* (2) Srr2dS=V1r2dV\int_S \frac{\vec{r}}{r^2} \cdot d\vec{S} = \int_V \frac{1}{r^2} dV が成り立つことを示します。

3. 電荷密度 $\rho$ とベクトル場 $\vec{D}$ の間に $\nabla \cdot \vec{D} = \rho$ の関係があるとき:

* (1) D=(8+x3y2,y2,z2)\vec{D} = (8 + x^3y^2, -y^2, -z^2) のとき、1x,y,z1-1 \leq x, y, z \leq 1 の立方体に含まれる総電荷 QQ を求めます。
* (2) D=k(x,y,z)\vec{D} = k(x, y, z) (kは定数) のとき、半径 aa の球内に含まれる総電荷 QQ を求めます。
**

2. 解き方の手順**

1. **ベクトル場 $\vec{A}$ について**

* (1) ベクトル場 A\vec{A} は、原点から遠ざかる方向に伸びるベクトルで、その大きさは距離の3乗に反比例します。原点付近ではベクトルは非常に大きく、遠ざかるにつれて小さくなります。図示する際は、原点から放射状に伸びる矢印を描き、矢印の長さを距離に応じて変えることで表現します。
* (2) 球面上の法線ベクトル dSd\vec{S} は、r/rdS\vec{r}/r \cdot dS と表せます。ここで dSdS は微小面積です。AdS=krr3rrdS=kr2r4dS=kr2dS\vec{A} \cdot d\vec{S} = k \frac{\vec{r}}{r^3} \cdot \frac{\vec{r}}{r} dS = k \frac{r^2}{r^4} dS = \frac{k}{r^2} dS。球面 SS 上では r=ar = a であるため、AdS=ka2dS\vec{A} \cdot d\vec{S} = \frac{k}{a^2} dSとなります。
* (3) SAdS=Ska2dS=ka2SdS\int_S \vec{A} \cdot d\vec{S} = \int_S \frac{k}{a^2} dS = \frac{k}{a^2} \int_S dS。球の表面積は 4πa24\pi a^2 なので、SAdS=ka2(4πa2)=4πk\int_S \vec{A} \cdot d\vec{S} = \frac{k}{a^2} (4\pi a^2) = 4\pi kとなります。

2. **位置ベクトル $\vec{r}$ について**

* (1) 発散定理より、SrdS=V(r)dV\int_S \vec{r} \cdot d\vec{S} = \int_V (\nabla \cdot \vec{r}) dVr=xx+yy+zz=1+1+1=3\nabla \cdot \vec{r} = \frac{\partial x}{\partial x} + \frac{\partial y}{\partial y} + \frac{\partial z}{\partial z} = 1 + 1 + 1 = 3なので、SrdS=V3dV=3V\int_S \vec{r} \cdot d\vec{S} = \int_V 3 dV = 3Vとなります。
* (2) rr2\frac{\vec{r}}{r^2}に対して、ガウスの法則を使います。Srr2dS=V(rr2)dV\int_S \frac{\vec{r}}{r^2} \cdot d\vec{S} = \int_V \nabla \cdot (\frac{\vec{r}}{r^2}) dV。ここで、(rr2)=1r2\nabla \cdot (\frac{\vec{r}}{r^2}) = \frac{1}{r^2} であることを示します。
* (rr2)=1r2r+r(1r2)\nabla \cdot (\frac{\vec{r}}{r^2}) = \frac{1}{r^2} \nabla \cdot \vec{r} + \vec{r} \cdot \nabla (\frac{1}{r^2})
* r=3\nabla \cdot \vec{r} = 3
* (1r2)=2r3rr=2rr4\nabla (\frac{1}{r^2}) = -\frac{2}{r^3} \frac{\vec{r}}{r} = -\frac{2\vec{r}}{r^4}
* r(1r2)=2r2r4=2r2\vec{r} \cdot \nabla (\frac{1}{r^2}) = -\frac{2r^2}{r^4} = -\frac{2}{r^2}
* したがって、(rr2)=3r22r2=1r2\nabla \cdot (\frac{\vec{r}}{r^2}) = \frac{3}{r^2} - \frac{2}{r^2} = \frac{1}{r^2}.
* よって、Srr2dS=V1r2dV\int_S \frac{\vec{r}}{r^2} \cdot d\vec{S} = \int_V \frac{1}{r^2} dV が成り立ちます。

3. **電荷密度 $\rho$ とベクトル場 $\vec{D}$ について**

* (1) ρ=D=x(8+x3y2)+y(y2)+z(z2)=3x2y22y2z\rho = \nabla \cdot \vec{D} = \frac{\partial}{\partial x}(8 + x^3y^2) + \frac{\partial}{\partial y}(-y^2) + \frac{\partial}{\partial z}(-z^2) = 3x^2y^2 - 2y - 2z
総電荷 Q=VρdV=111111(3x2y22y2z)dxdydzQ = \int_V \rho dV = \int_{-1}^{1} \int_{-1}^{1} \int_{-1}^{1} (3x^2y^2 - 2y - 2z) dx dy dz
Q=1111[x3y2]112y[x]112z[x]11dydz=11112y24y4zdydzQ = \int_{-1}^{1} \int_{-1}^{1} [x^3y^2]_{-1}^{1} - 2y[x]_{-1}^{1} - 2z[x]_{-1}^{1} dy dz = \int_{-1}^{1} \int_{-1}^{1} 2y^2 - 4y - 4z dy dz
Q=11[23y32y24zy]11dz=11438zdz=[43z4z2]11=83Q = \int_{-1}^{1} [\frac{2}{3}y^3 - 2y^2 - 4zy]_{-1}^{1} dz = \int_{-1}^{1} \frac{4}{3} - 8z dz = [\frac{4}{3}z - 4z^2]_{-1}^{1} = \frac{8}{3}
* (2) ρ=D=x(kx)+y(ky)+z(kz)=k+k+k=3k\rho = \nabla \cdot \vec{D} = \frac{\partial}{\partial x}(kx) + \frac{\partial}{\partial y}(ky) + \frac{\partial}{\partial z}(kz) = k + k + k = 3k
総電荷 Q=VρdV=V3kdV=3kVdVQ = \int_V \rho dV = \int_V 3k dV = 3k \int_V dV。球の体積は 43πa3\frac{4}{3}\pi a^3 なので、Q=3k(43πa3)=4πka3Q = 3k (\frac{4}{3}\pi a^3) = 4\pi ka^3
**

3. 最終的な答え**

1. ベクトル場 $\vec{A}$ について

* (1) 図示は省略
* (2) AdS=ka2dS\vec{A} \cdot d\vec{S} = \frac{k}{a^2} dS
* (3) SAdS=4πk\int_S \vec{A} \cdot d\vec{S} = 4\pi k

2. 位置ベクトル $\vec{r}$ について

* (1) SrdS=3V\int_S \vec{r} \cdot d\vec{S} = 3V
* (2) (証明は上記参照) Srr2dS=V1r2dV\int_S \frac{\vec{r}}{r^2} \cdot d\vec{S} = \int_V \frac{1}{r^2} dV

3. 電荷密度 $\rho$ とベクトル場 $\vec{D}$ について

* (1) Q=83Q = \frac{8}{3}
* (2) Q=4πka3Q = 4\pi ka^3

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