アイスクリーム市場における需要関数 $Q = -2P + 500$ と供給関数 $Q = \frac{1}{2}P$ が与えられている。 市場均衡における均衡価格、均衡取引量、消費者余剰、生産者余剰が既に求められている。 アイスクリームの消費による健康被害を考慮した場合の、社会的に最適な取引量と、それを実現するための政策手段を問う。 また、政策が実施されなかった場合の市場均衡における総余剰と、社会的に最適な取引量を求める。 さらに、外部性の種類と内部化の必要性、社会的に最適な取引量を実現するための政策が実施された場合の各項目を求める。

応用数学ミクロ経済学市場均衡需要関数供給関数外部性消費者余剰生産者余剰ピグー税
2025/8/6

1. 問題の内容

アイスクリーム市場における需要関数 Q=2P+500Q = -2P + 500 と供給関数 Q=12PQ = \frac{1}{2}P が与えられている。
市場均衡における均衡価格、均衡取引量、消費者余剰、生産者余剰が既に求められている。
アイスクリームの消費による健康被害を考慮した場合の、社会的に最適な取引量と、それを実現するための政策手段を問う。
また、政策が実施されなかった場合の市場均衡における総余剰と、社会的に最適な取引量を求める。
さらに、外部性の種類と内部化の必要性、社会的に最適な取引量を実現するための政策が実施された場合の各項目を求める。

2. 解き方の手順

(1) 社会的に最適な取引量を求める。アイスクリームの消費1単位につき医療費が50上昇するため、社会的限界費用は私的限界費用(供給曲線)よりも50高くなる。つまり、社会的な供給曲線は Q=12(P50)Q = \frac{1}{2}(P-50) となる。社会的に最適な取引量は、この社会的な供給曲線と需要曲線が交わる点で決まる。
需要関数と社会的な供給関数を連立して解く。
2P+500=12(P50)-2P + 500 = \frac{1}{2}(P - 50)
4P+1000=P50-4P + 1000 = P - 50
5P=10505P = 1050
P=210P = 210
Q=2(210)+500=420+500=80Q = -2(210) + 500 = -420 + 500 = 80
均衡価格は、需要関数もしくは社会的な供給関数にQ=80Q = 80を代入して求める。
(2) 社会的に最適な取引量を実現するための政策手段を考える。社会的な供給曲線は私的な供給曲線よりも上にシフトしているので、取引量を減らすためにはピグー税を課す必要がある。
ピグー税の額は、外部不経済の大きさである50に等しくなる。
(3) 政策が実施されなかった場合の市場均衡における総余剰は、消費者余剰と生産者余剰の和である。
総余剰 = 消費者余剰 + 生産者余剰 = 2500 + 10000 = 12500
(4) 一般的に、この例のような財取引に伴う第3者への影響は負の外部性と呼ばれる。社会的に最適な取引量を実現するためには、外部性の内部化が必要となる。
(5) 社会的に最適な取引量を実現するための政策が実施された場合を考える。
需要者の実質支払価格は、均衡価格P=210P = 210にピグー税50を加えたもの。
供給者の実質受取価格は、P50=21050=160P - 50 = 210 - 50 = 160
消費者余剰は、12×(250210)×80=1600\frac{1}{2} \times (250-210) \times 80 = 1600
生産者余剰は、12×(1600)×80=6400\frac{1}{2} \times (160-0) \times 80 = 6400
総余剰の変化は、1600+6400250010000=800012500=45001600 + 6400 - 2500 - 10000 = 8000 - 12500 = -4500

3. 最終的な答え

(1) 社会的に最適な取引量は均衡取引量より下回る。
政策手段:下回るーピグー税 (選択肢4)
市場均衡における総余剰: 12500
社会的に最適な取引量: 80
外部性: 負
外部性の内部化: 内部
需要者の実質支払価格: 260
供給者の実質受取価格: 160
消費者余剰: 1600
生産者余剰: 6400
総余剰の変化: -4500

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