ある病気の簡易検査法について、以下の情報が与えられています。 * 病気にかかっている人が、かかっていないと誤判定される確率: $\frac{1}{10}$ * 病気にかかっていない人が、かかっていると誤判定される確率: $\frac{1}{20}$ * 集団全体で病気にかかっている人の割合: $\frac{1}{50}$ この集団から1人を選んで検査したとき、以下の確率を求めます。 (1) 病気にかかっていると判定される確率 (2) 病気にかかっていると判定されたとき、実際にはかかっていない確率 (3) 病気にかかっていないと判定されたとき、実際にはかかっている確率

確率論・統計学確率条件付き確率ベイズの定理
2025/8/6

1. 問題の内容

ある病気の簡易検査法について、以下の情報が与えられています。
* 病気にかかっている人が、かかっていないと誤判定される確率: 110\frac{1}{10}
* 病気にかかっていない人が、かかっていると誤判定される確率: 120\frac{1}{20}
* 集団全体で病気にかかっている人の割合: 150\frac{1}{50}
この集団から1人を選んで検査したとき、以下の確率を求めます。
(1) 病気にかかっていると判定される確率
(2) 病気にかかっていると判定されたとき、実際にはかかっていない確率
(3) 病気にかかっていないと判定されたとき、実際にはかかっている確率

2. 解き方の手順

(1) 病気にかかっていると判定される確率
まず、人が病気にかかっている確率をP(A)P(A)、病気にかかっていない確率をP(A)P(\overline{A})、病気にかかっていると判定される確率をP(B)P(B)、病気にかかっていないと判定される確率をP(B)P(\overline{B})とします。
P(A)=150P(A)=\frac{1}{50}より、P(A)=1P(A)=1150=4950P(\overline{A})=1-P(A) = 1-\frac{1}{50}=\frac{49}{50}です。
病気にかかっている人が、かかっていると正しく判定される確率は 1110=9101-\frac{1}{10}=\frac{9}{10} です。
病気にかかっていない人が、かかっていると誤判定される確率は 120\frac{1}{20} です。
したがって、病気にかかっていると判定される確率 P(B)P(B) は、以下のようになります。
P(B)=P(A)×P(BA)+P(A)×P(BA)P(B) = P(A) \times P(B|A) + P(\overline{A}) \times P(B|\overline{A})
=150×910+4950×120= \frac{1}{50} \times \frac{9}{10} + \frac{49}{50} \times \frac{1}{20}
=9500+491000=181000+491000=671000= \frac{9}{500} + \frac{49}{1000} = \frac{18}{1000} + \frac{49}{1000} = \frac{67}{1000}
(2) 病気にかかっていると判定されたとき、実際にはかかっていない確率
これは条件付き確率 P(AB)P(\overline{A}|B) を求める問題です。ベイズの定理を利用します。
P(AB)=P(BA)×P(A)P(B)P(\overline{A}|B) = \frac{P(B|\overline{A}) \times P(\overline{A})}{P(B)}
=120×4950671000=491000671000=4967= \frac{\frac{1}{20} \times \frac{49}{50}}{\frac{67}{1000}} = \frac{\frac{49}{1000}}{\frac{67}{1000}} = \frac{49}{67}
(3) 病気にかかっていないと判定されたとき、実際にはかかっている確率
これは条件付き確率 P(AB)P(A|\overline{B}) を求める問題です。
まず、病気にかかっていないと判定される確率 P(B)P(\overline{B}) を求めます。
P(B)=1P(B)=1671000=9331000P(\overline{B}) = 1-P(B) = 1-\frac{67}{1000} = \frac{933}{1000}
病気にかかっている人が、かかっていないと誤判定される確率は 110\frac{1}{10} です。
したがって、P(BA)=110P(\overline{B}|A) = \frac{1}{10}です。
P(AB)=P(BA)×P(A)P(B)P(A|\overline{B}) = \frac{P(\overline{B}|A) \times P(A)}{P(\overline{B})}
=110×1509331000=15009331000=1500×1000933=2933= \frac{\frac{1}{10} \times \frac{1}{50}}{\frac{933}{1000}} = \frac{\frac{1}{500}}{\frac{933}{1000}} = \frac{1}{500} \times \frac{1000}{933} = \frac{2}{933}

3. 最終的な答え

(1) 病気にかかっていると判定される確率: 671000\frac{67}{1000}
(2) 病気にかかっていると判定されたとき、実際にはかかっていない確率: 4967\frac{49}{67}
(3) 病気にかかっていないと判定されたとき、実際にはかかっている確率: 2933\frac{2}{933}

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