ある果物の出荷時の平均重量は52gである。実験的な環境で育てた6個の果物の重量(56g, 55g, 57g, 53g, 57g, 52g)を測定した結果から、この実験的な環境が出荷時重量に影響があるかを有意水準5%で検定する。標本の平均、分散、標準偏差を求める。

確率論・統計学統計的仮説検定標本平均標本分散標本標準偏差t検定
2025/8/6

1. 問題の内容

ある果物の出荷時の平均重量は52gである。実験的な環境で育てた6個の果物の重量(56g, 55g, 57g, 53g, 57g, 52g)を測定した結果から、この実験的な環境が出荷時重量に影響があるかを有意水準5%で検定する。標本の平均、分散、標準偏差を求める。

2. 解き方の手順

(1) 帰無仮説と対立仮説を設定する。
* 帰無仮説 H0: 実験的な環境は出荷時重量に影響を与えない (平均重量は52gと変わらない)。
* 対立仮説 H1: 実験的な環境は出荷時重量に影響を与える (平均重量は52gと異なる)。
(2) 標本平均 xˉを計算する。
xˉ=(56+55+57+53+57+52)/6=330/6=55x̄ = (56 + 55 + 57 + 53 + 57 + 52) / 6 = 330 / 6 = 55
(3) 標本分散 s2s^2を計算する。
s2=Σ(xixˉ)2/(n1)s^2 = Σ(x_i - x̄)^2 / (n-1)
s2=[(5655)2+(5555)2+(5755)2+(5355)2+(5755)2+(5255)2]/(61)s^2 = [(56-55)^2 + (55-55)^2 + (57-55)^2 + (53-55)^2 + (57-55)^2 + (52-55)^2] / (6-1)
s2=[1+0+4+4+4+9]/5=22/5=4.4s^2 = [1 + 0 + 4 + 4 + 4 + 9] / 5 = 22 / 5 = 4.4
(4) 標本標準偏差 ssを計算する。
s=s2=4.42.0976s = √s^2 = √4.4 ≈ 2.0976
(5) t値を計算する。
t=(xˉμ)/(s/n)t = (x̄ - μ) / (s / √n)
ここで μμ は母平均(52g)、nn は標本サイズ(6)。
t=(5552)/(2.0976/6)=3/(2.0976/2.4495)=3/0.85633.503t = (55 - 52) / (2.0976 / √6) = 3 / (2.0976 / 2.4495) = 3 / 0.8563 ≈ 3.503
(6) 自由度 df=n1=61=5df = n - 1 = 6 - 1 = 5 のt分布における有意水準5%の両側検定の臨界値を調べる。t分布表より、t(0.025, 5) = 2.571。
(7) t値と臨界値を比較する。計算されたt値 (3.503) は臨界値 (2.571) よりも大きいので、帰無仮説を棄却する。
(8) 結論:有意水準5%で、実験的な環境は出荷時重量に影響を与えると言える。

3. 最終的な答え

標本平均: 55g
標本分散: 4.4
標本標準偏差: 約2.0976g
結論:実験的な環境は出荷時重量に影響を与えると言える。

「確率論・統計学」の関連問題

10本のバラを3人に分配する方法の数を求めます。 (1) 1本ももらわない人がいても良い場合 (2) どの人も少なくとも1本はもらう場合

組み合わせ重複組合せ場合の数
2025/8/6

表が出る確率が4割のコインを5回トスしたとき、ちょうど1回だけ表が出る確率を求めます。

確率二項分布確率質量関数組み合わせ
2025/8/6

あるコインは表が出る確率が4割(0.4)です。このコインを5回投げたとき、表がちょうど1回だけ出る確率を計算します。

確率二項分布確率質量関数
2025/8/6

袋の中に赤玉6個、白玉2個が入っている。 (1) 玉を1個取り出して色を確認して袋に戻す、という試行を3回繰り返すとき、白玉が1回以上出る確率を求める。 (2) 3個の玉を同時に取り出すとき、少なくと...

確率反復試行組み合わせ期待値
2025/8/6

表が出る確率が6割(0.6)であるゆがんだコインを5回トスするとき、表がちょうど2回出る確率を求める。

確率二項分布確率質量関数組み合わせ
2025/8/6

表が出る確率が0.6のゆがんだコインを5回トスするとき、表が2回出る確率を求めます。

確率二項分布確率質量関数組み合わせ
2025/8/6

10本のくじがあり、そのうち2本が当たりである。 (1) 2本のくじを順番に引くとき、少なくとも1回はずれが出る確率を求める。ただし、引いたくじは毎回元に戻す。 (2) 2本のくじを同時に引くとき、は...

確率くじ組み合わせ余事象
2025/8/6

(1) サイコロを3回投げたとき、2の倍数の目が1回だけ出る確率を求めます。 (2) 10個の製品の中に不良品が2個含まれています。この中から3個取り出すとき、不良品が1個以上含まれる確率を求めます。

確率組み合わせサイコロ不良品
2025/8/6

10本のくじがあり、そのうち4本が当たりである。 (1) 2本のくじを順番に引くとき、少なくとも1回当たりが出る確率を求める。ただし、引いたくじは毎回元に戻す。 (2) 2本のくじを同時に引くとき、当...

確率組み合わせ独立事象排反事象
2025/8/6

袋の中に赤玉が4個、白玉が4個入っている。 (1) 1個取り出して色を確認して袋に戻すことを3回繰り返すとき、白玉が1回以上出る確率を求めよ。 (2) 3個の玉を同時に取り出すとき、少なくとも1個が白...

確率確率分布反復試行組み合わせ
2025/8/6