ある市長選でA氏とB氏が立候補し、400人に対して出口調査を行った結果、A氏の得票数は208票だった。全有権者におけるA氏の支持率(母比率)の95%信頼区間を推定し、その結果からA氏について当確を出しても良いか理由を述べて判断する問題です。

確率論・統計学信頼区間母比率統計的推測標本比率
2025/8/6

1. 問題の内容

ある市長選でA氏とB氏が立候補し、400人に対して出口調査を行った結果、A氏の得票数は208票だった。全有権者におけるA氏の支持率(母比率)の95%信頼区間を推定し、その結果からA氏について当確を出しても良いか理由を述べて判断する問題です。

2. 解き方の手順

ステップ1:標本比率を計算する。
標本比率 p^\hat{p} は、標本における成功の割合です。この問題では、A氏の得票数(208票)を標本サイズ(400人)で割ることによって計算します。
p^=208400=0.52\hat{p} = \frac{208}{400} = 0.52
ステップ2:標準誤差を計算する。
標準誤差 SESE は、標本比率の標準的なばらつきを表します。母比率の標準誤差は、以下の式で計算できます。
SE=p^(1p^)nSE = \sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n}}
ここで、nn は標本サイズです。この問題では、n=400n = 400 なので、標準誤差は以下のようになります。
SE=0.52(10.52)400=0.52×0.48400=0.2496400=0.0006240.02498SE = \sqrt{\frac{0.52(1-0.52)}{400}} = \sqrt{\frac{0.52 \times 0.48}{400}} = \sqrt{\frac{0.2496}{400}} = \sqrt{0.000624} \approx 0.02498
ステップ3:信頼区間を計算する。
95%信頼区間は、標本比率の周りに、真の母比率が95%の確率で含まれる範囲です。95%信頼区間は、以下の式で計算できます。
p^±z×SE\hat{p} \pm z \times SE
ここで、zz は信頼水準に対応するzスコアです。95%信頼水準の場合、z=1.96z = 1.96 です。したがって、95%信頼区間は以下のようになります。
0.52±1.96×0.02498=0.52±0.048960.52 \pm 1.96 \times 0.02498 = 0.52 \pm 0.04896
下限: 0.520.04896=0.471040.52 - 0.04896 = 0.47104
上限: 0.52+0.04896=0.568960.52 + 0.04896 = 0.56896
これをパーセントで表すと、47.1%から56.9%となります(小数点第1位で四捨五入)。
ステップ4:当確を判断する。
A氏が当選するためには、A氏の支持率が50%を超える必要があります。信頼区間の下限が47.1%であるため、真の母比率が50%を下回る可能性もあります。しかし、信頼区間全体が50%を中心にしており、上限は56.9%と高いので、A氏の当選の可能性は高いと考えられます。しかし、確実に当確を出すには、下限が50%を超えている必要があります。

3. 最終的な答え

95%信頼区間: 47.1% ~ 56.9%
当確判断: 当確とは言えない。A氏の支持率の95%信頼区間の下限が50%を下回っているため、A氏の真の支持率が50%を下回る可能性が否定できない。

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