3 で割ると 2 余り、5 で割ると 1 余り、11 で割ると 5 余る自然数のうち、最小のものを求める。

数論合同式中国の剰余定理整数問題
2025/8/6

1. 問題の内容

3 で割ると 2 余り、5 で割ると 1 余り、11 で割ると 5 余る自然数のうち、最小のものを求める。

2. 解き方の手順

求める自然数を xx とする。問題文より、以下の合同式が成り立つ。
x2(mod3)x \equiv 2 \pmod{3}
x1(mod5)x \equiv 1 \pmod{5}
x5(mod11)x \equiv 5 \pmod{11}
まず、x2(mod3)x \equiv 2 \pmod{3} より、x=3k+2x = 3k + 2kk は整数)と表せる。
これを x1(mod5)x \equiv 1 \pmod{5} に代入すると、
3k+21(mod5)3k + 2 \equiv 1 \pmod{5}
3k1(mod5)3k \equiv -1 \pmod{5}
3k4(mod5)3k \equiv 4 \pmod{5}
ここで、3355 を法とする逆元は 22 であるから、22 を両辺にかけると、
6k8(mod5)6k \equiv 8 \pmod{5}
k3(mod5)k \equiv 3 \pmod{5}
よって、k=5l+3k = 5l + 3ll は整数)と表せる。
これを x=3k+2x = 3k + 2 に代入すると、
x=3(5l+3)+2=15l+9+2=15l+11x = 3(5l + 3) + 2 = 15l + 9 + 2 = 15l + 11
次に、x5(mod11)x \equiv 5 \pmod{11}x=15l+11x = 15l + 11 を代入すると、
15l+115(mod11)15l + 11 \equiv 5 \pmod{11}
15l6(mod11)15l \equiv -6 \pmod{11}
15l5(mod11)15l \equiv 5 \pmod{11}
4l5(mod11)4l \equiv 5 \pmod{11}
ここで、441111 を法とする逆元は 33 であるから、33 を両辺にかけると、
12l15(mod11)12l \equiv 15 \pmod{11}
l4(mod11)l \equiv 4 \pmod{11}
よって、l=11m+4l = 11m + 4mm は整数)と表せる。
これを x=15l+11x = 15l + 11 に代入すると、
x=15(11m+4)+11=165m+60+11=165m+71x = 15(11m + 4) + 11 = 165m + 60 + 11 = 165m + 71
xx が最小となるのは m=0m = 0 のときであるから、x=71x = 71

3. 最終的な答え

71

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