数直線上の点Pが原点からスタートし、硬貨を投げるごとに以下の規則で移動します。 * 表が出た場合、Pは+1だけ移動します。 * 裏が出た場合、Pは原点に関して対称な点に移動します。 $n$ 回硬貨を投げた後のPの座標を $a_n$ とするとき、以下の確率を求めます。 (1) $a_3 = 0$ となる確率 (2) $a_4 = 1$ となる確率 (3) $n \ge 3$ のとき、$a_n = n - 3$ となる確率を $n$ を用いて表す

確率論・統計学確率期待値確率過程コイン
2025/8/6

1. 問題の内容

数直線上の点Pが原点からスタートし、硬貨を投げるごとに以下の規則で移動します。
* 表が出た場合、Pは+1だけ移動します。
* 裏が出た場合、Pは原点に関して対称な点に移動します。
nn 回硬貨を投げた後のPの座標を ana_n とするとき、以下の確率を求めます。
(1) a3=0a_3 = 0 となる確率
(2) a4=1a_4 = 1 となる確率
(3) n3n \ge 3 のとき、an=n3a_n = n - 3 となる確率を nn を用いて表す

2. 解き方の手順

(1) a3=0a_3 = 0 となる確率
3回の移動で原点に戻るパターンを考えます。
* 表をT、裏をUと表します。
* 3回の操作で a3=0a_3 = 0 となるのは、(T, U, U), (U, T, U), (U, U, T) の3通りです。
* (T, U, U): 0+1110 + 1 \rightarrow -1 \rightarrow 1
* (U, T, U): 00110 \rightarrow 0 \rightarrow 1 \rightarrow -1
* (U, U, T): 00010 \rightarrow 0 \rightarrow 0 \rightarrow 1 ではないので間違い
正しいパターンは、
(T, U, U): 1 -> -1 -> 1 -> -1
(U, T, U): 0 -> 0 -> 1 -> -1
(U, U, T): 0 -> 0 -> 0 -> 1
上記3パターンではない
a3=0a_3=0 となるパターンは存在しない
したがって、a3=0a_3=0 となるパターンは存在しないので、確率p=0p=0
(2) a4=1a_4 = 1 となる確率
4回の移動で a4=1a_4 = 1 となるパターンを考えます。
* 表をT、裏をUと表します。
a4=1a_4 = 1 となるのは以下の通りです。

1. 表3回、裏1回:(T, T, T, U)の順列と座標を計算する

2. 裏が1回のパターンで、最終的に1になる場合

* (T, T, T, U): 0+1+2+330 + 1 \rightarrow +2 \rightarrow +3 \rightarrow -3, 異なる座標となるのでダメ
* (T, T, U, T): 0+1+2210 + 1 \rightarrow +2 \rightarrow -2 \rightarrow -1
* (T, U, T, T): 0+11210 + 1 \rightarrow -1 \rightarrow -2 \rightarrow -1
* (U, T, T, T): 001230 \rightarrow 0 \rightarrow 1 \rightarrow 2 \rightarrow 3
これらの確率:(41)(12)4=416=14\binom{4}{1} (\frac{1}{2})^4 = \frac{4}{16} = \frac{1}{4}
a4=1a_4 = 1となるためには表が3回,裏が1回。

1. (T, T, T, U) : $0 \xrightarrow{+1} 1 \xrightarrow{+1} 2 \xrightarrow{+1} 3 \xrightarrow{U} -3$

2. (T, T, U, T) : $0 \xrightarrow{+1} 1 \xrightarrow{+1} 2 \xrightarrow{U} -2 \xrightarrow{+1} -1$

3. (T, U, T, T) : $0 \xrightarrow{+1} 1 \xrightarrow{U} -1 \xrightarrow{+1} 0 \xrightarrow{+1} 1$

4. (U, T, T, T) : $0 \xrightarrow{U} 0 \xrightarrow{+1} 1 \xrightarrow{+1} 2 \xrightarrow{+1} 3$

このうち条件を満たすのは(T, U, T, T)のみなので、116\frac{1}{16}
(3) n3n \ge 3 のとき、an=n3a_n = n - 3 となる確率
an=n3a_n = n - 3 となるためには、裏が2回だけ出る必要があります。
なぜなら、表が出れば+1、裏が出れば原点に関して対称な点に移動するため、nn 回全て表が出れば座標は nn となります。
裏が1回だけ出ると、座標は n2n-2 となります。
裏が2回出ると、座標は n4n-4 となり、裏が3回出ると、座標は n6n-6となります。
つまりan=n2ka_n = n -2k (kkは裏が出た回数)。
したがって、n2k=n3n - 2k = n - 3 となるためには 2k=32k = 3 となり、k=32k = \frac{3}{2} となります。
裏の回数が整数ではないため、an=n3a_n = n-3 となる確率は0です。
an=n3a_n = n-3 となる組み合わせは0

3. 最終的な答え

(1) a3=0a_3 = 0 となる確率: 0
(2) a4=1a_4 = 1 となる確率: 116\frac{1}{16}
(3) n3n \ge 3 のとき、an=n3a_n = n - 3 となる確率: 0

「確率論・統計学」の関連問題

30枚の硬貨を投げる実験結果を用いて、仮説検定の問題を解く。問題文中の空欄「コサ」、「シ」、「ス」、「セ」に当てはまるものを答える。

仮説検定確率統計
2025/8/6

表1に示された分散、標準偏差、共分散に関するデータから、A, Bの値と、2021年度の男性の平均睡眠時間と女性の平均睡眠時間の相関係数を計算し、それぞれの解答群から最も適切なものを選ぶ問題です。

分散標準偏差共分散相関係数統計
2025/8/6

赤玉4個、白玉11個が入っている袋から玉を1個取り出して元に戻すことを $n$ 回繰り返すとき、ちょうど3回赤玉を取り出す確率を $p_n$ とする。$n \ge 4$ において、$\frac{p_n...

確率二項分布確率最大化
2025/8/6

与えられた度数分布表から、生徒10人の通学時間の平均値を求める問題です。度数分布表は以下の通りです。 | 階級(分) | 度数(人) | |---|---| | 0 ~ 10 | 4 | | 10 ~...

平均値度数分布表統計
2025/8/6

赤色、白色、黄色の3つのサイコロを同時に投げます。それぞれのサイコロの出た目を$x, y, z$とします。$x$と$y$の最小値を$m$、最大値を$M$とします。 (1) $m \le z \le M...

確率条件付き確率サイコロ期待値
2025/8/6

## 問題の解答

箱ひげ図平均分散標準偏差相関関係
2025/8/6

この問題は、2つのパートに分かれています。 パート1は、ある生徒の数学の学習時間を30日間調べた結果を度数分布表にまとめたものです。この表から、中央値を含む階級の階級値と最頻値を求める必要があります。...

度数分布表中央値最頻値範囲四分位数箱ひげ図
2025/8/6

1000人の集団のうち5人がウイルスに感染している。検査方法Aは、感染していない人を「感染している」と判定する確率が $\frac{3}{1000}$ であり、感染している人を「感染していない」と判定...

確率条件付き確率ベイズの定理
2025/8/6

袋Aと袋Bにそれぞれ8個の球が入っている。大小2つのサイコロを同時に投げ、大きいサイコロの出た目の数だけ袋Aから袋Bへ、小さいサイコロの出た目の数だけ袋Bから袋Aへ球を移動させる。 (1) 袋Aと袋B...

確率場合の数サイコロ
2025/8/6

大小2つのサイコロを同時に投げます。大きいサイコロが4以下の目を出し、かつ小さいサイコロが奇数の目を出す確率を求めます。

確率サイコロ二項分布確率計算
2025/8/6