複素数 $\alpha$, $\beta$ が条件 $\alpha^2 + \beta^2 = -\alpha\beta$ と $|\alpha + \beta| = 3$ を満たしているとき、以下の問いに答えます。 (1) $\frac{\beta}{\alpha}$ の偏角 $\theta$ を求めます。ただし、$0 \le \theta < 2\pi$ とします。 (2) $\alpha$ の絶対値を求めます。

1. 問題の内容

複素数 $\alpha$, $\beta$ が条件 $\alpha^2 + \beta^2 = -\alpha\beta$ と $|\alpha + \beta| = 3$ を満たしているとき、以下の問いに答えます。

(1) $\frac{\beta}{\alpha}$ の偏角 $\theta$ を求めます。ただし、$0 \le \theta < 2\pi$ とします。

(2) $\alpha$ の絶対値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) $\frac{\beta}{\alpha}$ の偏角 $\theta$ を求める。

与えられた条件 $\alpha^2 + \beta^2 = -\alpha\beta$ より、

$\alpha^2 + \alpha\beta + \beta^2 = 0$

両辺を $\alpha^2$ で割ると、

$1 + \frac{\beta}{\alpha} + (\frac{\beta}{\alpha})^2 = 0$

$z = \frac{\beta}{\alpha}$ とおくと、

$z^2 + z + 1 = 0$

これを解くと、

$z = \frac{-1 \pm \sqrt{1 - 4}}{2} = \frac{-1 \pm \sqrt{-3}}{2} = \frac{-1 \pm i\sqrt{3}}{2}$

$z_1 = \frac{-1 + i\sqrt{3}}{2}$ と $z_2 = \frac{-1 - i\sqrt{3}}{2}$ とすると、

$z_1 = \cos(\frac{2\pi}{3}) + i\sin(\frac{2\pi}{3})$

$z_2 = \cos(\frac{4\pi}{3}) + i\sin(\frac{4\pi}{3})$

よって、$\frac{\beta}{\alpha}$ の偏角は $\frac{2\pi}{3}$ または $\frac{4\pi}{3}$ です。

(2) $\alpha$ の絶対値を求める。

$|\alpha + \beta| = 3$ より、$|\alpha(1 + \frac{\beta}{\alpha})| = 3$

$|\alpha||1 + z| = 3$

$z = \frac{-1 + i\sqrt{3}}{2}$ のとき、

$|1 + z| = |1 + \frac{-1 + i\sqrt{3}}{2}| = |\frac{1 + i\sqrt{3}}{2}| = \sqrt{\frac{1}{4} + \frac{3}{4}} = 1$

$|\alpha| \cdot 1 = 3$ なので、 $|\alpha| = 3$

$z = \frac{-1 - i\sqrt{3}}{2}$ のとき、

$|1 + z| = |1 + \frac{-1 - i\sqrt{3}}{2}| = |\frac{1 - i\sqrt{3}}{2}| = \sqrt{\frac{1}{4} + \frac{3}{4}} = 1$

$|\alpha| \cdot 1 = 3$ なので、 $|\alpha| = 3$

いずれの場合も、 $|\alpha| = 3$ となります。

3. 最終的な答え

(1) $\frac{\beta}{\alpha}$ の偏角 $\theta$ は $\frac{2\pi}{3}$ または $\frac{4\pi}{3}$

(2) $\alpha$ の絶対値は $3$