まず、RがQであるための十分条件かどうかを調べます。つまり、「RならばQ」が成り立つかどうかを調べます。
∣x∣<1 または ∣y∣<1 が成り立つと仮定します。 場合1: ∣x∣<1 の場合、∣x∣=a とおくと、0≤a<1 となります。 このとき、xy<∣x∣+∣y∣ が成り立つかどうかを考えます。xy<a+∣y∣ となります。 もし、xとyがともに負で、yが十分に小さい場合(例えば、x=−0.5,y=−100)、 xy=50 となり、 ∣x∣+∣y∣=0.5+100=100.5 となるので、xy<∣x∣+∣y∣ は成り立ちます。 しかし、x=0.5,y=100 の場合、xy=50 となり、∣x∣+∣y∣=0.5+100=100.5 となるので、xy<∣x∣+∣y∣ は成り立ちます。 x=0.5 のとき、0.5y<0.5+∣y∣ つまり、0.5y−∣y∣<0.5 となります。 y>0 なら、0.5y−y=−0.5y<0.5 なので、y>−1。 y<0 なら、0.5y−(−y)=1.5y<0.5 なので、y<31。 次に、RがQであるための必要条件かどうかを調べます。つまり、「QならばR」が成り立つかどうかを調べます。
言い換えると、「QでないならばRでない」が成り立つかどうかを調べます。
Qでないとは、xy≥∣x∣+∣y∣ ということです。 Rでないとは、∣x∣≥1 かつ ∣y∣≥1 ということです。 ∣x∣≥1 かつ ∣y∣≥1 ならば、xy≥∣x∣+∣y∣ が成り立つかどうかを調べます。 例えば、x=2,y=3 とすると、xy=6,∣x∣+∣y∣=2+3=5 なので、xy>∣x∣+∣y∣ となります。 x=−2,y=−3 とすると、xy=6,∣x∣+∣y∣=2+3=5 なので、xy>∣x∣+∣y∣ となります。 x=2,y=−3 とすると、xy=−6,∣x∣+∣y∣=2+3=5 なので、xy<∣x∣+∣y∣ となります。 xy≥∣x∣+∣y∣ が必ずしも成り立つとは限りません。 x=2,y=−3とすると、xy=−6, ∣x∣+∣y∣=5 で、xy<∣x∣+∣y∣ が成り立ちます。 このとき、∣x∣≥1 かつ ∣y∣≥1 も成り立ちます。 つまり、「QでないならばRでない」は成り立ちません。したがって、RはQであるための必要条件ではありません。
しかし、例えば x=100,y=100のとき、 xy=10000, ∣x∣+∣y∣=200 なので、xy>∣x∣+∣y∣ となり、Qは成り立ちません。 このとき、∣x∣<1 または ∣y∣<1 は成り立たないので、Rも成り立ちません。 x=100,y=−100のとき、xy=−10000, ∣x∣+∣y∣=200 なので、xy<∣x∣+∣y∣ となり、Qは成り立ちます。 このとき、∣x∣<1 または ∣y∣<1 は成り立たないので、Rは成り立ちません。 RはQであるための十分条件でも必要条件でもありません。