集団Aにおいて、病気Xにかかっている人が4%いる。病気Xの検査で、病気Xにかかっている人が正しく陽性と判定される確率は80%、かかっていない人が誤って陽性と判定される確率は10%である。 (1) ある人が検査を受け、陽性と判定されたとき、その人が病気Xにかかっている確率を求める。 (2) ある人が検査を受け、陰性と判定されたとき、その人が実際には病気Xにかかっている確率を求める。

確率論・統計学確率ベイズの定理条件付き確率
2025/8/7

1. 問題の内容

集団Aにおいて、病気Xにかかっている人が4%いる。病気Xの検査で、病気Xにかかっている人が正しく陽性と判定される確率は80%、かかっていない人が誤って陽性と判定される確率は10%である。
(1) ある人が検査を受け、陽性と判定されたとき、その人が病気Xにかかっている確率を求める。
(2) ある人が検査を受け、陰性と判定されたとき、その人が実際には病気Xにかかっている確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) ベイズの定理を用いる。
A: 病気Xにかかっている事象
B: 陽性と判定される事象
求めたいのは P(AB)P(A|B) である。
P(A)=0.04P(A) = 0.04 (病気Xにかかっている確率)
P(A)=1P(A)=0.96P(\overline{A}) = 1 - P(A) = 0.96 (病気Xにかかっていない確率)
P(BA)=0.8P(B|A) = 0.8 (病気Xにかかっている人が陽性と判定される確率)
P(BA)=0.1P(B|\overline{A}) = 0.1 (病気Xにかかっていない人が陽性と判定される確率)
ベイズの定理より、
P(AB)=P(BA)P(A)P(B)P(A|B) = \frac{P(B|A)P(A)}{P(B)}
P(B)=P(BA)P(A)+P(BA)P(A)=0.8×0.04+0.1×0.96=0.032+0.096=0.128P(B) = P(B|A)P(A) + P(B|\overline{A})P(\overline{A}) = 0.8 \times 0.04 + 0.1 \times 0.96 = 0.032 + 0.096 = 0.128
P(AB)=0.8×0.040.128=0.0320.128=32128=14P(A|B) = \frac{0.8 \times 0.04}{0.128} = \frac{0.032}{0.128} = \frac{32}{128} = \frac{1}{4}
(2) ベイズの定理を用いる。
A: 病気Xにかかっている事象
C: 陰性と判定される事象
求めたいのは P(AC)P(A|C) である。
P(A)=0.04P(A) = 0.04 (病気Xにかかっている確率)
P(A)=1P(A)=0.96P(\overline{A}) = 1 - P(A) = 0.96 (病気Xにかかっていない確率)
P(CA)=1P(BA)=10.8=0.2P(C|A) = 1 - P(B|A) = 1 - 0.8 = 0.2 (病気Xにかかっている人が陰性と判定される確率)
P(CA)=1P(BA)=10.1=0.9P(C|\overline{A}) = 1 - P(B|\overline{A}) = 1 - 0.1 = 0.9 (病気Xにかかっていない人が陰性と判定される確率)
ベイズの定理より、
P(AC)=P(CA)P(A)P(C)P(A|C) = \frac{P(C|A)P(A)}{P(C)}
P(C)=P(CA)P(A)+P(CA)P(A)=0.2×0.04+0.9×0.96=0.008+0.864=0.872P(C) = P(C|A)P(A) + P(C|\overline{A})P(\overline{A}) = 0.2 \times 0.04 + 0.9 \times 0.96 = 0.008 + 0.864 = 0.872
P(AC)=0.2×0.040.872=0.0080.872=8872=1109P(A|C) = \frac{0.2 \times 0.04}{0.872} = \frac{0.008}{0.872} = \frac{8}{872} = \frac{1}{109}

3. 最終的な答え

(1) 14\frac{1}{4}
(2) 1109\frac{1}{109}

「確率論・統計学」の関連問題

この問題は、50人の最高血圧に関する累積分布表をもとに、以下の2つの問いに答えるものです。 (1) 最高血圧が120mmHg以上130mmHg未満の人の割合を百分率で求めます。 (2) 最高血圧が14...

累積分布割合百分率統計
2025/8/7

$n$ を自然数とする。数字1が書かれたカードが $n$ 枚、数字4が書かれたカードが1枚、そして記号△が書かれたカードが1枚、合計 $n+2$ 枚のカードがある。これらのカードから2枚を同時に引くと...

確率期待値組み合わせ
2025/8/7

数直線上の点Pが原点からスタートし、硬貨を投げるごとに以下の規則で移動します。 * 表が出た場合、Pは+1だけ移動します。 * 裏が出た場合、Pは原点に関して対称な点に移動します。 $n$ 回...

確率期待値確率過程コイン
2025/8/6

30枚の硬貨を投げる実験結果を用いて、仮説検定の問題を解く。問題文中の空欄「コサ」、「シ」、「ス」、「セ」に当てはまるものを答える。

仮説検定確率統計
2025/8/6

表1に示された分散、標準偏差、共分散に関するデータから、A, Bの値と、2021年度の男性の平均睡眠時間と女性の平均睡眠時間の相関係数を計算し、それぞれの解答群から最も適切なものを選ぶ問題です。

分散標準偏差共分散相関係数統計
2025/8/6

赤玉4個、白玉11個が入っている袋から玉を1個取り出して元に戻すことを $n$ 回繰り返すとき、ちょうど3回赤玉を取り出す確率を $p_n$ とする。$n \ge 4$ において、$\frac{p_n...

確率二項分布確率最大化
2025/8/6

与えられた度数分布表から、生徒10人の通学時間の平均値を求める問題です。度数分布表は以下の通りです。 | 階級(分) | 度数(人) | |---|---| | 0 ~ 10 | 4 | | 10 ~...

平均値度数分布表統計
2025/8/6

赤色、白色、黄色の3つのサイコロを同時に投げます。それぞれのサイコロの出た目を$x, y, z$とします。$x$と$y$の最小値を$m$、最大値を$M$とします。 (1) $m \le z \le M...

確率条件付き確率サイコロ期待値
2025/8/6

## 問題の解答

箱ひげ図平均分散標準偏差相関関係
2025/8/6

この問題は、2つのパートに分かれています。 パート1は、ある生徒の数学の学習時間を30日間調べた結果を度数分布表にまとめたものです。この表から、中央値を含む階級の階級値と最頻値を求める必要があります。...

度数分布表中央値最頻値範囲四分位数箱ひげ図
2025/8/6